──ほかに下のきょうだいとの格差を感じたことは?

のまり 私が小学校高学年のとき、きょうだいを連れて夏祭りに行ったら他の大人の人の歩きタバコの火がきょうだいの腕に当たってしまったことがありました。大泣きしたきょうだいを、周りにいた知らない大人たちもなだめてくれてどうにか家へ帰ったのですが、着くなり母に「なんでちゃんと見ていないの!」と怒られました。

──そのときどう思いましたか?

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のまり 「年長者が年少者を守らなきゃいけない」という意識が強かったので、「悪いことをしてしまった」という気持ちが大きかった気がします。

 でも振り返ればこの頃から、潜在的には家族に対する息苦しさを感じていたように思います。

 

──中学時代に2年ほど不登校だったと伺いましたが、家庭の事情が理由だったのですか?

のまり 直接的なきっかけは学校のことでした。ただその時も母は「学校に行けば正常になる」と信じ込んでいて、私を学校に行かせるために必死でありとあらゆる手段を試していました。

 不登校のことをあまり理解していなさそうな精神科医に連れていかれて、その医者に怒鳴られることもありました。そういうことから、家が原因でメンタルヘルスに影響が出ているのかもしれない、という感覚はうっすらとありました。

──理不尽にお母さんがのまりさんを怒っているとき、お父さんはどうしていたのですか?

のまり 母が怒鳴っているときに父が一緒にいた記憶はありません。優しい人だった印象で一緒に遊んでくれることもありましたが、仕事で忙しそうで家にいないことも多かったんです。

「母が私にやたら寄りかかってくると感じることが増えました」

──のまりさんはごきょうだいと比べて子ども扱いをされていないように思うのですが、それはずっと続くのでしょうか?

のまり 私が年齢を重ねるごとに、母が私にやたら寄りかかってくると感じることが増えました。きょうだいのことを母から愚痴られることもあって。子どもの困りごとを聞くのは親の役目だと思うのですが。

 私には、色々と口出ししてきたり、きつい言い方をしてきたりしますが、きょうだいに対しては、小さい頃から顔色をうかがったり、気を遣っている感じがあって、それは今も続いています。