料理を通して人と時間をつなげてきた、フランスのキッチンウェアブランド「ル・クルーゼ」。創業から100年を迎えた2025年6月、東京・六本木にてアニバーサリーイベントが開催された。新たな記念カラー〈フラムドレ〉の登場や、料理人による特別な一皿、アートブックの展示など、ブランドの今とこれからを体感できる2日間となった。
限定カラー〈フラムドレ〉が象徴する100周年

ル・クルーゼ100周年の象徴ともいえるのが、記念カラー「Flamme Dorée(フラムドレ)」の発表だ。ブランドの伝統色であるフレイム(オレンジ)に、控えめなゴールドの艶を加えた落ち着きのある仕上がりで、過去と未来の両方に目を向けたような色味が印象的だった。
このカラーは、鋳物ホーロー鍋の定番「シグニチャー ココット・ロンド」(18/20/24cm)や、日本の炊飯文化に寄り添う「ココット・エブリィ」、日常的に使いやすい「ソースパン」などに展開。実用性はそのままに、キッチンに置いておきたくなる佇まいも兼ね備えている。
10組の料理人が提案した“100年遺したい料理”

イベントでは、10組のシェフや料理家たちが「100年後も伝えたいル・クルーゼ料理」をテーマに考案したレシピの動画を放映。また、そのうちの一人、西麻布の「AC HOUSE」オーナーシェフ・黒田敦喜氏が、ラム肉と野菜をスパイスで煮込んだフランスの家庭料理「ナヴァラン」をスープカレー風にアレンジした特別な料理を振舞い、来場者は試食を通じて製品の魅力を体感した。
実際に調理に使われたのは、ココット・ロンド。黒田氏は「焦げつきにくく、手入れがしやすい」と実用面でも高く評価する。
アートブックとアーカイブで振り返るブランドの軌跡

もうひとつの見どころは、ラグジュアリーアートブックブランド「ASSOULINE」とのコラボレーションによる書籍『Le Creuset: A Century of Colorful Cookware』の展示。全304ページ、重さ約4kgの大判本には、初公開の写真や製品デザイン、クラフトマンシップの歴史が詰まっている。
会場ではそのほかにも、製造工程の紹介パネル、過去のアーカイブモデル、ブランドカラーを象徴するカラーパネルなどが展示され、来場者はル・クルーゼの世界観を多角的に体感できるようになっている。
使い続けられる道具としての普遍性

100年間受け継がれてきたものは、見た目の美しさや技術だけではない。生活の中で使い続けられる道具として、日々の料理に寄り添ってきたという信頼感がある。
100周年記念製品もまた、特別感がありながら過剰な装飾に頼らず、“いつものル・クルーゼ”の延長にあるような実直な仕上がりだった。今この瞬間に新たに使い始めても、10年後、30年後に思い出の器として残る——そんな未来の風景が自然と浮かぶようなイベントだった。
長い歴史をのなかで数々のプロダクトを生み出してきたル・クルーゼ。100周年を記念して、有名シェフ、料理家が考える「100年遺したいレシピ」を特設サイトで公開中。周年を記念した製品の発表も控えており、今後同ブランドの展開に注目してみてほしい。
【100周年記念サイトURL】
https://www.lecreuset.co.jp/100years-with-lecreuset/
