子どもに中学受験させるのは、将来の選択肢を増やすためだとよく言われる。勉強できるほうが将来の選択肢は広がると誰しも言う。だが、プロプーさんの人生を見ると、まっとうなルートを行くのが正しいという幻想の強さが感じられる。親がかけた呪いだ。これは彼に限ったことではなく、今の世の中全般を広く覆っていると言えるだろう。

20代で貯金2000万は勝ち組か?

 20代半ばの時点で貯金額2000万円と有名大学卒業の学歴ではどちらの価値が上なのか? もちろん判断する人の価値観によるのだが、フリーライターという職業を選んでいる自分の価値観からしたら、2000万円は勝ちまでは言えないとしても負けではないように思える。

 有名大学を卒業し一流企業に就職する生き方は、世の中で言われるほど勝ちではない。高レート麻雀を打った数年間の経験からそう思うようになった。高レート麻雀の場で出会う謎の自営業者たちは、みな自由な生き方をしており幸福度が高そうだった。通勤等に縛られず何より楽だ。会社員も様々だが、JTC(日本的伝統大企業)の場合、所得も高いしイメージがいい割に、転職の自由はなく、仕事内容はブルシットジョブ(無意味な仕事)が多い。籠の中の鳥だ。

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 これは完全に主観になるのだが、メーカーは人間らしい世界だけれども、金融やコンサルなど収入が高い仕事は幸福度が低いケースが多いように思える。相対的には所得が高いから幸福度は高いようで、それは相対的なものに過ぎず、絶対的な幸福度が高いようには思えないのだ。歌舞伎町の麻雀を語るはずなのに、ずいぶん方向違いの話を書いてしまった。プロプーさんの人生に戻ろう。