10代のときに200万円を稼ぎ、20代のときには2000万円の貯蓄があった、プロプーさん。その商才があるなら、「普通の仕事」も難なくこなせそうだが、なぜ「歌舞伎町の雀士」として働き続けるのか? 雀ゴロライター・福地誠氏の新刊『ルポ マンション麻雀 ‐バブル期から脈々と続く超高レート賭博の実態』より一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目/最初から読む)

写真はイメージ ©getty

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裏メン稼業は天国だった

 それ以来約2年、宝石店の裏メンを続けている。裏メンもメンバー同様にシフト制になっている。月のはじめに日程を入れて、その日に行って12時間打つ。条件はゲーム代フルバック。つまり、場代ゼロで打てるから報酬は自力で稼ぎ出せということだ。プロプーさんの場合、1日で平均して3万円弱の稼ぎになるという。

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「1日3万円弱って仕事として悪くないですよね。遊んでるだけですから、こんなに楽でいいのかって思います」

 確かに麻雀好きにとっては遊んでいるだけ。しかし、それを楽しいと感じられる人はそんなに多くもないだろう。宝石店では1日数十万円の負けはざらだ。というよりも、ほぼ毎日、数十万円勝つか負けるかのどちらかになる。負けが続いたとき、病まずに続けられるのはメンタルが強く持ち金に余裕がある人だけ。そんなに簡単なことではない。

「2025年1月には150万円負けました。通算成績をずっと付けてるんですけど、これで一気に悪くなりました」