若い頃から商才に恵まれ、10代のときに200万円を稼ぎ、20代のときには2000万円の貯蓄があった、プロプーさん。そんな彼が今、フリー雀荘の打ち子として生計を立てる理由とは? 雀ゴロライター・福地誠氏の新刊『ルポ マンション麻雀 ‐バブル期から脈々と続く超高レート賭博の実態』より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/最初から読む)
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初めて自己肯定感を持てたのが麻雀だった
「大学を中退してからは、法律系の資格を取ろうと思って伊藤塾という専門塾に通い始めたんですよ。刑法が面白くて、この時期は人生で一番勉強しました」
知人の弁護士に聞いてみたところ、刑法を面白いと感じるのは論理が好きな人の特徴だという。どんな行為をしたらどれだけの罪になるかを算定するのが刑法で、形式がカッチリ決まった論理の体系となっている。とはいえ、プロプーさんがロジック好きだと思うのは速断で、このとき人生で初めて勉強の面白さに触れたという話じゃないか。
そんな時期に襲ってきたのがコロナだった。家で法律を自習しているはずが、いつしかネット麻雀に向かった。天鳳で七段になり、雀魂では魂天になった。天鳳七段は一流の証であり、魂天は雀魂の頂点だ。もしかして俺には麻雀なら才能があるんじゃないか。初めて自己肯定感を持てたのが麻雀だった。
一流の学歴と立派な勤務先はそんなに偉いのか?彼の人生のルートを見ると、立派な学歴&就職vs.若者の適性という人生上の対立について考えさせられる。
