「遊戯王カードは小学生からプレイしててコレクターでした。当時150万円もする世界に数枚しかないカードまで持ってました。今でも持ってたら1000万円以上してもおかしくないので、売ってしまったことを後悔してます」
大学中退時の貯金額は2000万円――これまで一度も働いたことのないプロプーさん。それでも大金を稼ぐことができた理由とは? 雀ゴロライター・福地誠氏の新刊『ルポ マンション麻雀 ‐バブル期から脈々と続く超高レート賭博の実態』より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/後編を読む)
◆◆◆
闇の住人はプロのプータロウ
歌舞伎町でも一番かけ金が高いとされるフリー雀荘「宝石店」。そこで裏メン稼業を務めるのはどういう人なのか。裏メンとはただひたすら麻雀を打つ仕事だ。常軌を逸したレートで打ち続けるメンタルが必要だし、1日50万円以上負けることも普通にあるから、かなり余剰資金がないと続けられない。
今30歳だというプロプーさん。プロのプータロウという意味でプロプーというハンドルネームを使っている。
麻雀のオフ会で、他の人たちが仕事のつらさを語っている中で「働いたことがないからわからない」と発言して衝撃を与えた。話を聞いてみたら、やはり一般的な人生のコースからは外れている人だった。そんなプロのプータロウの人生を追ってみよう。
高校時代にヤフオクで200万円稼ぐ
「親が転勤族だったので、幼稚園から中学までは岩手県、高校からは岡山県でした。岡山の自称進学校(※ガチの進学校を目指しつつも追いつけない学校を揶揄するときに使う)に入り、授業中は寝てばかり。家ではスマホ、ネット、ゲームばかりの生活でした」
ここまでは普通の高校生だ。普通でなかったのは、その時期から自力で稼ぐ方法を見つけ出していたことだった。ゲーム内アイテムをヤフーオークションで売るリアルマネートレーディングを行い、高校卒業時には貯金が200万円あったという。
18歳時すでに200万円稼いでいたというと非凡さを感じさせる。だが、彼は自己肯定感が低い。
「ぼくは全然たいしたことないです。同じ状況にいたら誰でも稼げたと思います」
