「ボコボコにやられることはわかっている」アジャコングとのシングル戦を避けるワケ
――先ほど話に出た赤井沙希さんは理想のレスラーですか?
上福 女子プロレスだからって、女性らしい美しさを崩す必要はないと思っていたので、モデル体型を維持したままの沙希さんに憧れていました。
男子の団体で紅一点として活動して、女子の団体にも参加するという、常に気を張っていなきゃいけない状態で戦っていたことも尊敬しています。
沙希さんは凛としているように見えて、実は寂しがり屋で自信がない方なんです。大きい女性って強気に見られるけど、全然そんなことはなくて。私もそうだから、沙希さんには何でも話せました。
――アジャコングさんにシングル戦を要求されていますが、上福さんは拒否しているそうですね。
上福 女子プロレス界で一番仲がいいのはアジャさんなんです。業界を知らないからこそ恐縮せずにアジャさんと話していたら、共通するところが多くて。キャリア関係なく、友だちのような関係で接するようになりました。
ただ、シングルで試合はしたくないんです。プロレスって、デビューしたばかりの選手がチャンピオンと戦う場合でも「私が勝ちます!」と言わなきゃいけない。それがプロレスの面白さだと理解はできるけど、私の考え方は違って。
アジャさんとシングルでやったらボコボコにやられることはわかっているので、いまはやりたくないんです。お世話になっているので、いつかはシングルでやったほうがいいのかなと思ってます。
見た目で判断してくる人は「こっちから願い下げ」
――プロレスラーになって、いよいよ高身長コンプレックスは解消されましたか?
上福 そうですね。ただ、いまも服を買いに行くと、男性の店員が「お姉さんデカいっすね。俺、負けてますよ」なんて言ってくる。
「デカいって言うな。お前と勝負してないし、負けてるところはひとつもない」と思ってしまうんです。そんな奴はマインドが小さいんだろうと考えるようにしています。
――体の大きさに悩んでいる人にメッセージを送るとしたら?
上福 気にするな、ですね。もし好きな男の子に「自分より背が高い子は無理」と言われたら、「こっちから願い下げだ」と言って踏んづけて帰ればいい。見てくれで判断するような人間には価値がないから。大切なのはマインドだと思います。