「日本一の美女レスラー」として知られる東京女子プロレス所属のプロレスラー・上福ゆきさん(32)。身長173センチ・体重53キロの長身体型を活かしたプロレス技でファンを魅了。“破天荒”なキャラクターも注目を集めている。
そんな上福さんに、プロレスデビューした理由、プロレスラーとしての自身のキャラに対する想い、体型や容姿に悩む人へのメッセージなどを聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く)
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「不動産会社の営業」「エッチな番組」「プロレス」の三択だった
――プロレスに出会った経緯を教えてください。
上福ゆきさん(以下、上福) 事務所の方に「このままダラダラと芸能活動を続けてどうするの? いつか母親になって、嫌がる子どもに『将来のために学校に行きなさい』と言う時、『お母さんは何をしていたの?』と聞かれて『港区でギャラ飲みしていた』と答えられるの?」と言われたんです。
その言葉を聞いて、私は努力をしないでずっと逃げてきたんだなと気づかされました。それで、事務所の方に「何か努力できることをしたいです」と話したら、「不動産会社の営業か、エッチな番組にチャレンジするか、高木三四郎さんの団体(東京女子プロレス)でプロレスをやるか」の三択を提示されて、一番よくわからないプロレスを選んだんです。
――高木さんに会って、どんな話をされたんですか?
上福 喫茶室ルノアールで面談したんですけど、高木さんに「ちょっと立って、一周回ってみてよ」と言われて。その通りにしたら、「一回練習を見学しに来なよ」と道場に誘っていただいたんです。
自分が退席した後、大人たちが話してデビュー日まで決まっていました。見学する当日に「動きやすい服装で来てほしい」と言われて道場に行ってみたら、「前転できる?」と聞かれて。あれよあれよと練習に参加する羽目になっていました。
「ヤバい世界に入ってしまった」プロレスを観に行ったときの心境
――プロレスを観たことはあったんですか?
上福 なかったです。わかっていたのは「リングがある」というだけで、ルールもわからないし、有名なレスラーも知りませんでした。高木三四郎さんが運営している男子プロレスのDDTを観に行ったら、ハレンチな攻撃を繰り広げる男色ディーノが出てきて「ヤバい世界に入ってしまった」と思いました。
ただ、DDTで唯一の女子レスラーだった赤井沙希さんを見て、「スラッとした体型の方が男性の中で活躍できるんだ」と一筋の光が見えたんです。