――練習はキツかったですか?

上福 とにかく痛くて、体中がアザだらけになって、本当にキツかったです。受け身なんて、自分から転びにいってるようなものじゃないですか。それでも続けることができたのは夢中になれる何かがほしかったから。

「ここで諦めたら、この先も諦め続ける人生を送るんだろうな。乗り越えたら変われるんじゃないか」と思って頑張りました。

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「世界観を壊すんじゃない」港区女子キャラでデビュー→アンチに叩かれたことも…

――2017年8月26日、スポーツもケンカもしてこなかった上福さんがプロレスラーとしてデビューしました。

上福 デビューできたのはミラクルだと思います。当時の東京女子プロレスは練習生がいない時期だったから、先輩方が優しく教えてくださったんです。手取り足取り教えてくれる先輩方の気持ちを無下にしちゃいけないと思って。

「ちゃんとデビューする」か「絶対に見つからない場所に飛ぶ」の2択で、リスクの低い「デビュー」を選びました。

――デビューして変わったことはありましたか?

上福 東京女子プロレスはアイドルっぽい子が多いので、私みたいな派手なタイプは目立ったと思います。「港区女子」がコンセプトでしたから。キャラは立っているけど、「東京女子プロレスの世界観を壊すんじゃない」とヘイトの目を向けてくるファンの方もいました。

 生意気な割には技術が足りていなかったので、叩かれても仕方ない部分はあったと思います。ただ、そのままアンチに負けたら悔しいので、「いつか見返してやろう」とリングに立ち続けました。

「男のひとりも知らない人には魅力を感じない」“恋愛禁止ルール”を破って波紋を呼んだ

――三禁(酒・タバコ・男禁止令)を破っていることを公言して波紋を呼びました。

上福 30歳近くなって男のひとりも知らない人には魅力を感じないと私は思うんです。あの時は所属選手からもクレームがありました。だけど、いまはみんな縛りなくやれているので、いいきっかけになったんじゃないかと思います。

 

――東京女子プロレスのファンに認められた、と思えたのはいつ頃ですか?

上福 まだ認めていない人はいるだろうけど、2020年11月に初めてベルト(インターナショナル・プリンセス王座)を獲った時だと思います。試合を通して「コイツは本当に頑張ってるんだ」と認めてもらえたように感じました。