映画製作で苦労した点

――いずれの作品からも小池監督の作風に通じるエッセンスが感じられますね。『不死身の血族』の制作期間は?

小池 おおよそ3年ほど掛かりました。

――OVAは約50分、映画はそれ以上ですので、そもそもの上映時間から違いますが、苦労した点などは?

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小池 OVAの4本に関しては、バイオレンスやアクション表現について振り切って表現していましたが、映画の場合は映倫の審査があるので、そこは苦戦しました。

原作:モンキー・パンチ ©TMS

――本作はPG-12指定ですが、結構派手な撃ち合いや血飛沫に近い表現がありますからね。

小池 思っていた以上に厳しかった。マイルドな表現に直した部分も結構ありました。

――『LUPIN THE IIIRD』シリーズからは、手描きアニメが本来持っていた画の動きを、現代的にアップデートしたような醍醐味が感じられます。手描きとCGの割合はどのような配分なのでしょうか?

小池 こちらとしては、そう言ってもらえると狙い通りですね。実はシーン毎にかなりの量のCG処理が細かく入っていて。カットの割合で言えば、8割ぐらいは入っている。手描きアニメ風に見せて、その世界観を盛り上げるためのデコレーションとしてCGを使っているという感じです。

原作:モンキー・パンチ ©TMS

――エンドロールには、相当数のアニメーターがクレジットされています。

小池 そうですね。僕は作画側もやっているので、正直、制作の終盤は自分の作画分を仕上げるのに手一杯で、どうしても気になるところは精査して、リテイクを出しながら作っていくというやり方でした。自分でも全てをチェックできないくらい切迫したスケジュールでしたが、そこはチームが自主的にフォローしてくれた。感謝しています。

撮影 橋本篤/文藝春秋

――さて、小池ルパンはこれにて完結ということですが、ファンも多く、別のメディアで声優の皆さんとお話しをしましたが、栗田(貫一)さんも山寺(宏一)さんも「本当に終わりなの?」と名残惜しそうでしたが。

小池 いや、そう言っていただけるのは非常に有り難いんですが……。

撮影 橋本篤/文藝春秋

次の記事に続く 「小池ルパン、もっと作ればいいのに」「本当に終わりなの?」約12年間ルパンシリーズを作り続けた小池健監督の気になる答え《『ルパン三世』がどこに向かうのか、僕自身、すごく興味がある》

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