劇場公開中の映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』。約12年間、シリーズに向き合った小池健監督が今後“ルパン”を制作することはないのか? それとも……。(全3回の3回目/1回目を読む、2回目を読む)
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『LUPIN THE IIIRD』シリーズに込めた想い
――小池監督は、原作者のモンキー・パンチ先生(2019年逝去)との交流はありましたか?
小池健(以下、小池) はい。生前に御覧頂けた『LUPIN THE IIIRD』シリーズは楽しんでくださっていました。
――自分も生前一度だけお会いしましたが、本当に物腰が柔らかく、優しい方で。
小池 そうですね。すごく応援してくださって、「小池さんのルパンをやり切っていいからね」といった言葉をかけてくださり、後押しをしていただきました。あの懐の広さがそのまま『ルパン三世』という作品のユーモアに繋がっていると思いますし、だからこそこれだけ多くのクリエーターが“自分のルパン”を作ってこられたんだと思います。モンキー先生のルパンはとにかくカッコよくて、ちょっとエロくて、魅力的だった。そんな自分が好きだった先生の作風を称え、微力でも後世に残せればという思いも、自分としては『LUPIN THE IIIRD』シリーズに込めたつもりです。
――小池ルパンは公開中の映画『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』で完結です。OVAの4作と映画で計5作、足掛け11年のシリーズとなりましたが。
小池 途中、何年か間が空いていますが、約12年もルパンと付き合ったのは、監督としては最長らしいです。
――約12年、小池監督は、このシリーズにほぼ一球入魂状態でしたね。
小池 途中、応援などで参加させていただいた作品はありましたが、メインということで言えばたしかにこのシリーズのみでした。最初はシリーズ化できるとは思わなかったし、次作もコンスタントに作るというよりはアイディアが浮かんだら作ろう、みたいな感じで始まったんですが、お陰様で次々と作らせていただいて、映画で完結まで漕ぎ着けました。