――先日、ルパン三世役の栗田貫一さんとお話しした際、「小池監督は何日も部屋から出ないで、ずっと籠もって作業しているから、どんどん色白になるらしい」と楽しそうに話していましたが(笑)。
小池 何だかちょっと脚色されていますね(笑)。でも、終盤の追い込みは確かにそんな感じでしたね。
作画が間に合っていなかったシーンも、レジェンド級の声優陣がドンピシャな声を当てて…
――栗田さんをはじめ、ルパンシリーズの声優は皆さんレジェンド級の方々です。アフレコの様子については?
小池 『不死身の血族』では、ムオム役の片岡愛之助さん、ムオムに仕える少女・サリファ役の森川葵さんも素晴らしい演技でしたし、スタジオは長年に渡ってルパン作品のアフレコを手掛けられている音響の清水洋史さんがいらっしゃるので、僕は安心してただただ楽しく見ていた、という感じ(笑)。清水さんはキャリアに裏打ちされた演出の仕方をお持ちなので、僕からあまり何かを細かく言うようなことはないですね。最初に口頭でざっくりと世界観や方向性を共有して、このシーンでこういう印象の声が欲しいというリクエストを伝えたら、声優の方々のいろいろなパターンの声を清水さんが引き出してくれる。『不死身の血族』のアフレコでは、山寺(宏一)さんが何時間も演じてくださった後、ご自分も疲れていらっしゃるのに、「小池監督、体に気をつけて、頑張ってください!」と、あの銭形の声で言ってくださって。
――おお(笑)。
小池 あのクラスの声優の方々というのは、アニメーターとはまた違った意味での職人気質をお持ちですよね。短距離走のような感じで、限られた時間内で一気に全力を出し切ってくださる。しかも、申し訳ないことに進行の事情でまだ画が間に合っていなかったシーンも、清水さんの説明を元にドンピシャな声を当ててくださって。本当に、毎回が夢のようなアフレコ体験でした。
