「新しいクリエーターにバトンを渡さなければならない」
――小池ルパンにはファンも多く、自分が先日、栗田さん、山寺さんとお話しした際も、「小池ルパン、もっと作ればいいのに」、「本当に終わりなの?」と名残惜しそうでしたが。
小池 そう言っていただけるのは非常に有り難いんですが、完結です。はい(笑)。
――いや、モンキー・パンチ先生の原作マンガ『ルパン三世』にも、『新ルパン三世』がありましたし、『新LUPIN THE IIIRD』シリーズというのも……。
小池 そう簡単に言ってくれますけどねえ……。
――すみません。自分も小池ルパンのファンなので、ちょっと煽ってみました。
小池 そりゃ本当にそんなオファーがもしあれば、その時はその時でもちろん真剣に考えますが、本当にルパンは手掛けたくてやりたくてウズウズしながら順番待ちをしているアニメーターの長い列が常に出来ているような状態の作品ですから、新しいクリエーターにバトンを渡さなければならない。『ルパン三世』という作品は手掛ける監督の作風やポリシー次第でいろいろなルパンが存在するという極めて稀有な作品です。『ルパン三世』がどこに向かうのか、僕自身、すごく興味がある。それをこれからは一ファンに戻って純粋な気持ちで楽しみたいというのが今の率直な心境ですね。
――では、小池監督自身は今後どこへ向かうのでしょうか?
小池 僕自身、子供の時に観た『ルパン三世ルパンVS複製人間(クローン)』(1978年)や、宮崎駿監督の『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)、りんたろう監督の『銀河鉄道999』(1979年)といった作品に感動して、「何だかわけがわからないけどとにかく何かを作りたい」という衝動に駆られ、この世界に入りました。そうした感覚を、同じように若い世代の方々に感じてもらえるような作品を作りたいと思っています。
もちろん、『LUPIN THE IIIRD』シリーズにも、そういう思いは込めています。とにかく自分が好きなルパンの世界観とストーリーとキャラクターを存分に詰め込んだ作品ですので、映画で初めてご覧になるかたにも、1作目の『次元大介の墓標』からずっとシリーズを追いかけてくれたかたにも、どっぷりと浸かって味わっていただきたい。特に、映画を機に初めて『LUPIN THE IIIRD』シリーズに触れるかたには、「こんな『ルパン三世』もあるのか」と感じてもらえたらうれしいですね。
撮影 橋本篤/文藝春秋
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