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「逃資」目的の「東京買い」
香港人の「東京買い」を初めて聞いたのは、3年前のことだった。銀座のスナックでナナミちゃんがカウンター越しにこう言った。
「最近決まったのは、赤坂でぇ、ひと部屋10億円。坪で2000万だよぉ、意味わかんないよねぇっ」
ナナミちゃんの昼職は不動産会社だ。銀座には大学生の時から出ているが、卒業前に宅地建物取引士の資格を取り、東京・港区本社の大手不動産会社に就職した。当時新卒2年目の器用な子だ。
「買ったのはどういう人?」
「香港人。だいたいそういう10億円前後を買うのは、台湾人か香港人だから」
「坪2000万円って高すぎない?」
「うちらだって坪2000万円って誰が買うの? と言いながら毎日売ってる感じよ。だから今はもっと高くつけようって言ってるよ。チャレンジ価格、売れたらラッキーってやつね」
※本記事の全文(約12000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と、「文藝春秋」2025年7月号に掲載されています(吉松こころ「東京に逃資する香港人」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
・庶民が1億円のタワマンに
・恒大トップが所有していた豪邸
・「ニッポン不動産」の魅力
・ダサい中国資本マンション
・東京は“30年前の香港”
