俳優の遠野なぎこさんが死去したことが17日、分かった。享年45歳。親族が公式ブログを通じて発表した。親族の発表によると、死因は「事故によるもの」だという。
遠野さんは6歳で子役として芸能界デビューし、NHKの連続テレビ小説『すずらん』ではヒロインを務めるなど華々しい活躍をしてきた。
しかしその裏では、幼少期から母親による虐待や育児放棄を受け、大人になってからもそのトラウマに苦しんできた。また、母親から虐待を受けた影響で15歳のときに摂食障害を発症し、闘病も続けていた。
遠野さんはどのような虐待に遭い、どんなトラウマを抱えていたのか。摂食障害という病に対して、どのように向き合っていたのか。文春オンラインの過去2回にわたるインタビューから一部を抜粋・再編集して紹介する。
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「髪の毛を掴まれて壁に叩きつけられたり、体を引きずり回され…」幼少期から激しい虐待を受けていた
「母は何かにつけ、まだ幼い私を殴ったり精神的に追い詰めるようなことを繰り返していました。髪の毛を掴まれて壁に叩きつけられたり、体を引きずり回されたり。
母に殴られたあとは鼻血が止まらなくなるのですが、毎回ティッシュを1箱使うので『もったいない』と言われて。だからいつもバケツを渡されて、その中に鼻血が溜まっていくのを見ていました」(遠野なぎこさん、以下同)
小学生の頃の記憶をこう語っていた遠野さん。母からは「体の暴力」だけでなく「心の暴力」もあったという。
「小学生の頃から容姿や性格について『醜い』『お前なんか』というようなことをずっと言われてきました。どれだけ私が劣っている人間かというのを、陰湿に、悪魔のように言い続ける人でした」
母親から「醜い」と否定され続けて育った影響で、大人になっても自分の姿をまともに鏡で見ることができなかった。
文春オンラインで取材した際、控え室に備え付けられた大きな鏡を見ることなく、持参した小さな手鏡でメイクをしていた遠野さん。その後ろ姿が、彼女の心の傷の深さを物語っていた。
