「食べて吐くのを1日に最大5回もやってしまう」摂食障害の症状と闘い続けた日々
「拒食期のときは、体重に異常に固執すると言いますか、毎朝起きてトイレに行ったら服を全部脱いで、体重計に乗ってしまう。
食事はとにかく食べられなくなるんです。病院で処方されている栄養補助ドリンクだけで400kcalくらいあるので、死なないためにそれだけはなんとか飲むようにして。
過食嘔吐のときは、朝、目が覚めた瞬間にもうモードに入ってしまっていて、顔も洗わずにスーパーやコンビニに行っておにぎりとかを何十個と買うんです。で、それを食べて吐くのを1日に最大5回もやってしまうんですね。
吐けない過食の時は、見た目がすごく太ってしまうから、摂食障害を治療されている方の中には、それで悲しんだり苦しんだりしている人も多くいらっしゃいます」
「もし身近に摂食障害の方がいたら、そっと見守ってあげてほしい」遠野さんが残していたメッセージ
医者に摂食障害と診断されたが、当時は保険が効かず、病院代が高額だったという。さらに、過食によって食費がかさみ、クレジットカードを止められ、経済的に困窮した時期も過ごした。
「当時、芸能界を休んでいた時期で、さらにうちの場合、親が出してくれるわけじゃないので。50分のカウンセリングで1万5000円とかするんですよ。それを自分でバイトしたりして稼ぐのが、結構きつかったです」
インタビューの最後に「摂食障害に苦しむ人に向けて、なにかメッセージはありますか?」と質問すると、遠野さんはこんなメッセージを残しくれた。
「摂食障害って、本人の意思でどうにかできる問題ではないので、やめたくてもやめられないし、拒食期や過食期の変化も、ある日突然スイッチが切り替わってしまうんです。
もし身近に摂食障害の方がいたら、そっと見守ってあげてほしいですね。外見のことにとても敏感になる病気なので、『痩せて綺麗になったね』とか『太ってるのになんで摂食障害なの?』といった言葉は避けてほしい」
インタビューの最中、「誰しも『今のままずっと苦しみが続く』ということはないと思うんです。きっと何か、解放されるきっかけがあるはず」と話していた遠野さん。
天国では、虐待のトラウマや摂食障害の苦しみから解放されて、安らかな時間を過ごされますよう、切に願っております。心よりご冥福をお祈りいたします。
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