世間から忘れられゆく時代のなかに、かつての憧れを見る者たちがいる。昭和の車を愛してやまない、酔狂なオーナーたちの素顔とは?

 今回は、8代目クラウンに乗る「こうき」さんをご紹介。

スポーツカーから旧車まで、さまざまなジャンルの車をカスタムする「こうき」さん

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夫婦で叶えた夢のガレージ生活

 父がずっと車屋をやっていて、趣味でも車やバイクを弄っているのを見てきたので、小さい頃からカスタムや整備の作業に興味があったんですよね。

バブル絶頂期と重なり大ヒットを記録した8代目クラウン

 漠然とではありますが、当時から「車関係の仕事がしたい」という気持ちもありました。それで、高校を出て自動車専門学校に進み、今はディーラーで整備士をしています。

 プライベートでも暇さえあれば車を弄っていて、以前から走り用の180SXや、キャブ車の初代ミラージュのカスタムを続けています。ジャンル問わず、乗り物を弄るのがそもそも好きなんですよね。

改造車ながら高級セダンらしい落ち着きを感じさせるリアビュー

 このクラウンは、3年ほど前に増車した車両ですね。子どもの頃に父の店でよく扱っていたモデルで、その頃からカッコいいなと思っていて。なので、なるべく当時の空気を思い出せるような仕様にしているんですよ。

ステアリングはウッド調の4本スポークモデル。エアコンパネル横のガラケーが郷愁を誘う

 こうやって弄っている車のほかにも、家族用のミニバンと軽、バイク運搬用の車があるので、毎年の自動車税は20万円とかになるんですけど……。でも昔から、車に囲まれた生活に憧れがあったんです。

 それで去年、とうとう長年の夢だったガレージハウスを建てたんですよ。家づくりの最初から、複数台をガレージに収められることを第一条件にして。

 車のために100坪超の土地を選んだので、正直かなりの額になりましたが、妻にも背中を押され、これはもう覚悟を決めるしかないと。

助手席のチャイルドシート。普段はエルグランドを使っているが、イベントの際は出展車両で移動する

 実は妻も大の車好きで、出会った頃からWRXに乗っているくらいで。結婚したあとも、子どもが生まれてからも、車の趣味を一緒に楽しんでくれていて、ありがたいかぎりですよね。

 上の娘は2歳で、下の子はまだ生後半年ですが、今日も家族4人で来ているんです。夫婦のなかでは「イベントはみんなで参加するもの」という感じで、妻はいつも嫌な顔一つせず来てくれていますね。

 やっぱり色んな車が身近にあるので、上の子はもう車に興味が出てきたようで、最近はよくトミカで遊んでいますよ。あまり誘導はしたくないですけど、もし本人たちが将来車好きになったら、整備なんかの面で環境は整えてあげたいですね。

車屋を営む父の影響もあり、小さな頃から車関係の仕事に関心があった

 今後はローンも続きますし、貯金もあまりできていないので、車だけが資産のようなものですが……。子どものために必要となれば手放す覚悟もしつつ、仕事と育児の合間を縫いながら、細く長く弄っていけたらいいなと思います。

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