さらに警察署で7時間の取り調べ

 自宅取り調べから1か月と数日後、私はとある警察署へと出向いていた。

 この事件は複数の都道府県警による合同捜査だった。自宅ガサには、そのうち私の自宅から最も近い警察の管下にある警察署から捜査員が派遣されており、その警察署にて取り調べが行われることになったのだ。

 自宅から最も近いと言っても、隣県だったために朝9時の招集で6時台に起きて7時過ぎに家を出て、通勤ラッシュにもまれながら1時間半ほど移動。まあ私は事件の被疑者なのだから、そんなストレスに文句を言うわけにもいかない。

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 じつは、この呼び出しの日程は捜査本部に相談して、公私両方でスマホ・パソコンを使うのでなるべく早く返して欲しい旨を(めちゃくちゃ丁寧にへりくだりながら)お願いして、かつ私用の都合でこの日からこの日は外して欲しいというスケジュールの要望も聞いてもらって、最大限日程の調整に配慮してもらっていたのだ。

 被疑者風情がこれだけやって頂いて、文句なんて出ようはずもない。

 この日はまず、人定(?)専門の部屋に通されて、顔や全身のあらゆる角度の写真撮影や、左右全手指の指紋・掌紋の撮影などが行われた。これ犯罪者感がすごくて、善良な一市民としては地味に一番こたえた気がする。

 続いて取調室へ移動。前回の自宅取り調べの、

(1)事前捜査で確認された対局データを実際に私が行っていたという事実確認

(2)『DORA麻雀』をプレーするようになった経緯や実際にプレーしていた環境について

(3)私自身の生い立ちや素性について

 に関して、さらに補完するような内容だった。

 (1)に関しては、前回の撮影画像なども貼り付けたより詳細な調書を読み聞かせられて、それを承認するという形式。「○年○月○日○時○分に対局が始まり、○ドルを預け入れて、3人中○着に終わったので○ドルの払い戻しがあった」といった事実を確認された。

 (2)に関しては、差し押さえられていたスマホ内の捜査も踏まえて、「LINEでやり取りしていたこの人から仕事を依頼されたのか」などの事実関係を追加で確認された。