今から数年前、旧知の取引先の依頼から「オンライン賭け麻雀サイト」を複数回プレイした石渡健司さん(仮名)。その結果、警察から長時間の取り調べを受けるだけでなく、賭博常習罪を問われることに…。最終的に彼はどうなったのか? 雀ゴロライター・福地誠氏の新刊『ルポ マンション麻雀 ‐バブル期から脈々と続く超高レート賭博の実態』より一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目/最初から読む)
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百円の賭博を十数回で賭博常習罪
警察署での取り調べにて、再度「賭博と認識していたかどうか」を確認されたのだが、その際
・海外にサーバーがあり安心安全と謳われていること
・入金も別業者のウォレットを通しており、直接お金を賭けている感覚が薄かったこと
・しかも街の健全なフリー雀荘程度のレートでしか遊戯しておらず、問題になる金額ではないと思い込んでいたこと
から賭博を強く意識できていなかったとは答えたが、もちろん「結果として賭博を行った」ことは認めざるを得ず、当然ながら賭博罪自体は否定できなかった。当たり前だが「1円でも賭けていれば、警察が本気になれば捕まえることが可能」ということを強く思い知ることとなった。
ちなみに前項の事実承認の際に最初に確認された内容は「○年○月○日○時○分に対局が始まり、1ドルを預け入れて、3人中3着に終わったので0.18ドルの払い戻しがあった」というもの。なんと「150円預けて30円返ってきた」ぐらいの博打で、私は警察の取り調べを計十時間以上も受けているのだ。
前述したとおり、私は基本的に体験記事を書く仕事のために「DORA麻雀」をプレーしていたので、なるべく多くのパターンの盤面、たとえば役満のアガリや大逆転劇などを実戦譜として記録するため、プレーの多くを低レート卓で行っていた。
そして「捜査中に13回のプレーが確認された」とのことで(実際には記事広告が好評で20回程度の連載となったので、そのためにもっと高いレートを含め計500回程度はプレーしていたはずだが)、今回の捜査対象はすべて低レート卓。
つまり「賭博常習罪の疑い」の対象となった私の行為は、「数十円~数百円の博打を十数回」行っただけなのである。こんな小さな額の博打でも、警察に捕まる可能性があるのだ。
