援デリ(援助交際デリバリーヘルス)グループの2人が、大阪「グリ下」周辺の女子高校生2人をスカウトし、東北地方、北陸地方に連れ出して数日にわたって売春の斡旋により対価を得ていた事件。逮捕された瀧本絵斗被告(26)と新山隼士被告(21)の裁判で7月2日、大阪地裁にて判決が言い渡された。
余罪を含めると、10日間で100件以上の売春行為に及んだと思われる過酷な状況は、被告2人の逮捕時に大きな話題を呼んだ。裁判では、避妊薬を使ってまで2人を売春させていたこと、「やめたい」という声が出ても男性客たちの相手をさせていたことなどが明らかになっている。
女子高校生と犯罪者たちの“売春行脚”は、なぜ引き起こされたのか。主犯といえる瀧本の供述を中心に、衝撃事件の真相を解説する。(全2回の2回目/最初から読む)
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「女の子が稼げる環境を作りたかった」
瀧本は以前、知人の誘いで援デリの組織に在籍していた。誘われた際は実態を知らず、単に「ドライバー」としての参加だったが、その後、売春を斡旋する組織であると知ったという。違法の認識はあったが、ヤクザ・半グレと関わりがある組織と聞いていたため、危害が加えられることを恐れて警察には行かなかった。
一方で、組織のやり方に不満を抱えていた。出張費などが満足に払われず、女性の不満を聞いていたからだ。そこから「女の子が稼げるところを作りたい」という思いが生まれ、新山と別のグループを結成するきっかけの一つになったと主張する。
