判決は…

「自分は、Aからそのような言葉を直接聞いていません。Bからはありました。それでも、決して無理やりでなく『自分のペースで続けられるなら頑張ろう』と声をかけました。あくまで2人は、自分の意思でやっていたと思います」

 裁判官からの「やってしまった中で何が、最も良くなかったと思っていますか」という質問には「女の子を使って違法な方法でお金を稼ぐこと。しんどいですし」と答えた瀧本。その話しぶり、声のトーンからは、あくまで「肉体的なしんどさ」があるくらいで、事件によって若いAとBの心に残ったであろう精神的な被害に目が向いていないことが感じられた。

 判決前の最終陳述で瀧本は「こうやってグレーな仕事をせず、ちゃんと仕事を身につけられるようにします」と述べている。女子高校生を捕まえて“売春行脚”に連れて行ったことに対して、瀧本はいまだ「グレー」と認識しているわけだ。

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7月2日、大阪地裁で判決が言い渡された(筆者撮影)

瀧本・新山が所属していた「トクリュウ」リーダーも逮捕

 7月2日に出た判決は、瀧本に対して懲役2年6月、罰金30万円(求刑同じ)、執行猶予5年で、新山に対しては懲役1年6月、罰金20万円(求刑同じ)、執行猶予4年。

 裁判官は「一定の報酬を渡していたと言うが、健全な成長を害するのは明らか」「『やめたい』と伝えた被害者らに対して、自身らの利益を優先し、児童を性的搾取の手段として使用した」などと厳しく非難した。また、このような犯罪行為が経済的に割に合わないことを知らしめるため、罰金刑も併科している。

 グリ下と売春を巡っては、6月にも売春防止法違反などの疑いで2人が逮捕された。府警の発表によると、容疑者の1人は瀧本や新山が所属していた70人規模の「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」 リーダーで、100人以上の少女らを売春させていたという。若い女性たちを食いものにした外道な事件の詳細が、徐々に明らかになりつつある。

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