57歳に結婚、プライベートと仕事の狭間で
プライベートでは57歳になった2017年に一般男性と結婚し、コロナ禍で長らく夫婦一緒に過ごしたことで「結婚してよかった」との思いがより深まったという。浅野がそれまで結婚せずに来たのは、若い頃より《すごく可哀想な役をやっている時に「だけど家に帰ったら、あの人と幸せよね」みたいな、そういうのが見えたら絶対にダメだと》周囲から言われ続けてきたことにも一因があるようだ(『アサヒ芸能』2025年1月16・23日号)。
演じる役と素の自分のあいだに一線を引いてきたのは、いかにも昔気質の俳優らしい。しかし、浅野が等身大の役を演じ、ドラマでもプライベートでも変わらないファッションを身にまとうことで人気が出たのもまた事実だ。今回の朗読劇でも、実生活で抱いた夫婦関係への思いみたいなものが反映されたりするのだろうか。
トレードマークのロングヘアが生まれたワケ
ところで、トレンディドラマを通じて浅野のトレードマークとなったロングヘアには秘密がある。じつは彼女はひどいクセ毛で、短くすると髪が乱れて大変なことになるので、そうならないよう髪を長く伸ばしてその重みでまとめているのだという。担当の美容師からは髪は絶対に切らないよう言われており、そのために演じる役も《イメージが決められてしまうところがあるかもしれませんね》と悩みも打ち明けている(『週刊朝日』2022年4月29日号)。
逆にいえば、これまで浅野は限定されたイメージのなかでさまざまな役を演じてきたことになる。今年3月にゲスト出演したドラマ『問題物件』(フジテレビ系)の最終回では、人生の終わりを迎えるべく高齢者向け住宅に入った元家政婦という役どころであった。浅野ゆう子もそういう役を演じる年齢になったのかと驚きつつも、いわゆる老け役ではなく、あくまで年相応に演じていたのが彼女らしいとも思わせた。先述したような舞台での役もバラエティに富んでいることを思えば、今後も年齢を重ねるごとに役の幅を広げていきそうな予感を抱かせる。
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