6月7日、名作ドラマ『スケバン刑事』シリーズのBlu-ray BOX発売が発表されて話題を呼んだ。18歳でシリーズ第2作『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』(85年)の主人公・麻宮サキ役を演じて大ブレイクしたのが南野陽子(58)だった。

南野陽子 ©時事通信社

 南野は1967年6月23日生まれの兵庫県出身。神戸市の私立松蔭高校に在学中、友人と大阪のテレビ局の公開番組を観覧した際にスカウトされた。両親の猛反対を押し切って芸能界入りを決意し、クラスメイトや先生たちに見送られて高校2年の夏に上京した。

 CBSソニーのオーディションに合格し、山口百恵を担当した酒井政利プロデューサーのセクションに入り、堀越高等学校に3学期から編入した。

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胸元の開いた黄色のドレス姿 本人インスタグラムより

 17歳の秋に日本テレビ系のドラマ『名門私立女子高校』で女優デビューし、18歳の誕生日の85年6月23日に「恥ずかしすぎて」で歌手デビューすると同時に、「週刊少年マガジン」の表紙を飾るなど順調すぎるほどの滑り出しだった。

 そんな南野を一躍全国区にしたのが、『スケバン刑事II』だった。斉藤由貴主演で大ヒットした『スケバン刑事』(85年)の続編で、決めゼリフも齋藤の「てめぇら、許さねぇ!」から、南野の二代目は高知・土佐出身という設定に。南野が繰り出す「おまんら、許さんぜよ!」は流行語になった。

「スケバン刑事II」東映チャンネルより

ペットボトルに直接口をつけず、長めのストローさす

 当時、筆者は撮影現場を見学したことがあるが、撮影現場での南野はすでに堂々たる女優の風格で、監督の指示にハキハキこたえ、1つ1つの動きを丁寧に演じていた。撮影現場には「親衛隊」と呼ばれる彼女の追っかけや、今でいう「推し活グループ」が見学者たちに混ざってファンの交通整理にあたっていた。

 また、南野は缶ジュースやペットボトルに直接口をつけず、長めのストローをさして飲んでおり、これは後に南野ファンの間で流行っている。フランクに見えて、清潔感・清楚感を感じさせる所作が印象的だった。

 18歳で出した初写真集「陽子をひとりじめ……」(講談社)は、薬師丸ひろ子を抜いてティーン女優の写真集の売上記録史上1位を記録。