「自分にとっての豊かさとは何なのか」家族との車中泊生活を通して変化した“人生観”
――視聴者からの反響はいかがですか?
勢太 予想していたより多くの応援メッセージを頂きました。同じ子育て世代はもちろん、異業種の方、海外の人々からの評価も嬉しかったです。
他にも、若手の料理人から「勢太さんのような生き方をしてみたいです」というコメントをもらったことがあって。「料理人でもこんな生き方ができるんだ」と若い世代に示せているのかなと思うと、苦手だった発信を始めて本当に良かったと思います。
――勢太さん家族が車中泊を始めて、1年半が経ちました。振り返ってみて、一番大きな変化は何ですか?
勢太 人生で何を選択し、何を選択しないのか、自分にとっての豊かさとは何なのか、という価値観が変わったように思います。
仕事の成功の中には見つけられなかった幸せを、月明かりの静かな森の中で3人で食事をしているときに感じたりします。僕が本当に欲しかったのはこういった思い出だったのかもしれません。
「この旅が次のステップへのきっかけになれば良い」
――こはるちゃんにも変化があったそうですね。
勢太 自然から多くのことを学んでる気がしますね。とくに日本の四季は彼女の五感の成長に大きな影響を与えてると思います。日本各地の美味しいものを食べる食いしん坊な両親を見て、食への興味もどんどん湧いてきています(笑)。
エアコンの効いたシンガポールの保育園で、英語と中国語の世界にいた娘が、今は日本の大自然の中で、僕たち両親と共に成長している。
父親として、娘の心の深い部分でしっかりつながろうと決心した日から始まったこの旅で、こはるが日本の四季や文化を肌で感じながら育っているのを見ると、旅を始めて本当に良かったなと思います。
――この旅のゴールは考えているのでしょうか?
勢太 実は、ゴールをしっかり決めて始めた旅ではないんです(笑)。ただ、この旅が次のステップへのきっかけになれば良いと思っています。
今後のことで今言えるのは、今まで料理人として培ってきたものと、この旅で得た知識や経験、そしてYouTubeという新しいスキルを掛け合わせたら、きっと何か新しいことができるんじゃないかって考えてます。
日本から出た時も、シンガポールから日本に戻る時も、具体的な計画があったわけじゃないけど、「何とかなる」という確信だけはあった。今回も同じような感覚があるんです。だからこの旅の中で、次の道が見えてくるんじゃないかと思っています。
写真提供=「FULL TIME DADDY」
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