鶴保氏が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書を確認すると、たしかに近年、鶴保氏側から末吉氏の会社に、毎月十数万円前後が家賃として支出されていた。しかし、

「鶴保先生は、末吉さんが出馬表明した翌月の今年3月、事務所を市内の別のビルへと移転させました。そのタイミングも、2人の関係解消を印象づけることとなったのです」(同前)

末吉氏の会社「三商」に、鶴保氏が代表の自民党支部から家賃支出

 一体なぜ、彼女は出馬まで決意したのだろうか。6月初旬、末吉氏に取材を申し込むと、ピンクのポロシャツ姿で本人が登場。後援会長を同席させつつ、和歌山市内で対面取材に応じた。

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鶴保氏との関係について聞くと…「どうやって答えたらええんやろ」

――出馬を決めたのは?

「政治の世界に入ることはもう10年以上前から考えておりまして。不動産業に従事してきたこれまでの経験を活かして、全国の空き家対策や所有者のいない土地に関しての法整備を進めていきたいのです」

――和歌山選挙区は厳しい区ですね。

「和歌山は自民党王国ですから、手ごたえはなかなか難しい。それに、様々な政党の方が出てきますので。それでも青年会議所、JCの方の力も借りて」

末吉亜矢氏(本人SNSより)

 堂々と語り、出馬への固い決意を滲ませる。そこで、核心を訊いてみた。

――鶴保議員について。

「うん、うん、うん」

――鶴保議員とのご関係を聞きたい。

「うん、うん、うん。どうやって答えたらええんやろ? (周囲の)他の人には、『答えてくれてええよ』って言っています。でもね、私が自分から言うと角が立つでしょう?」

出馬が“当てつけ”と言われることもあるが…

 問わず語りに、末吉氏が続ける。

末吉亜矢氏(本人SNSより)

「ただ、今回の出馬に関しては『その人』に想いがあってのものではありません。自分のタイミングでね。よく噂で『当てつけなんじゃないか?』なんて言われることがあるんですが、そんなことはなくて。たまたま選挙で敵対する形にはなってしまったけども、別に今も憎んでいるとか恨んでいるとか、そういう気持ちは正直ない」

 徐々に早口になり、こころなしか赤面する。