7月8日、個人演説会で「運のいいことに能登で地震があったでしょ」などと発言し物議を醸している自民党の鶴保庸介議員(58)。きょう9日に行った記者会見では「言葉足らずであったと同時に、被災地の苦労を考えると、例示として出すのに適当だったか、深く考えなければならない」と謝罪し、発言を撤回した。
実は、今回の参院選にあたり、鶴保氏の地盤・和歌山県で思わぬ“異変”が起きていた――。「週刊文春」の記事を全文公開する。
(初出:「週刊文春 電子版」2025年6月28日配信)
◇◇◇
参議院議員選挙の注目区・和歌山選挙区に、思わぬ異変が起きていた。地元の自民党関係者が声を潜めて明かす。
「実は立候補を表明したとある女性が、大物議員と深い関係にあったことが取り沙汰されて、混乱が広がっているのです」
和歌山県選挙区は改選数1で、情勢が混沌とする激戦区。そのワケは、世耕弘成氏 vs. 二階俊博氏の“代理戦争”だ。
二階氏の息子、世耕氏の刺客が
「和歌山は自民党王国で、昨年政界を引退した二階俊博元幹事長(86)の地盤です。2月9日に二階氏の三男・二階伸康氏(47)と前・和歌山県有田市長の望月良男氏(53)が参院選の公認候補の座を巡って県連の役員による投票で争い、二階伸康氏が公認候補となることが決まった」(政治部記者)
ただ、丸く収まらなかった。
「公認されなかった望月氏は、二階家の“宿敵”である世耕弘成前参院幹事長(62)に近い存在。結局その後、望月氏は無所属での出馬を表明したのです」(同前)
自民公認である二階氏の息子に、世耕氏の刺客が挑む“保守分裂”となり、そこに野党が絡む構図だ。
そんな鉄火場に、思わぬ人物が名乗りを上げた――。



