立民・野田氏はスモーキーなブルーで光沢あるソリッド(無地)タイを選び、チーフの挿し方も上品。総理経験者として格式高く信頼感と熟練さを伝える戦略でしょうか。

 公明・斉藤氏はパステル調ブルーのジャカード織を選択。オーソドックスで見慣れたタイプのネクタイは、安定の支持層に信頼感を伝える効果がありそうです。

公明党の斉藤鉄夫代表 ©時事通信社

 共産・田村氏は、青系のブラウスに真っ白のジャケットを羽織るスタイル。理路整然と話すイメージを強化する戦略でしょうか。党のイメージカラーでもある赤を封印したのは、怒りのイメージよりも猛暑の中で少しでも涼しげに訴える意志も感じます。

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共産党の田村智子委員長 ©時事通信社

新興政党のリーダーたちは赤、オレンジ、ピンク、ビタミンカラー

 一方で新興政党の若手リーダーたちは、「黙っちゃおれん」と言わんばかりに、熱量の高い暖色系のネクタイで強い存在感を放っています。

「エネルギー」「熱意」「パワー」──。それらが瞬時に伝わるのが、暖色系の最大の特徴です。

 多くの党首が政党のイメージカラーをまとう中、日本維新の会・吉村氏は、赤のネクタイを愛用しています。大阪府知事としての公務中も多用する“勝負ネクタイ”を引っさげて、今回の選挙に挑んでいます。

日本維新の会の吉村洋文代表 ©時事通信社

 維新のイメージカラーである緑は木々のように爽やかで、自然体、調和的な印象を与えますが、裏を返せば主張の弱さも意味します。意図してかどうかはわかりませんが、赤は2025年大阪・関西万博の「ミャクミャク」を想起させる色でもあります。

 イメージ戦略の本場・アメリカ大統領選挙では赤が最もパワフルなネクタイとされており、イメージカラーが青の民主党候補でも、討論会などでは赤を選ぶことが多いほどの「強い色」です。石破氏が青系を選択したことで、赤が空席になったのはラッキーだったかもしれません。