国民民主党・玉木氏は、党のイメージカラーであるオレンジと、正統派を象徴するネイビーのストライプを選択。

 このネクタイは実際に党の公式ネットショップで購入でき、候補者や関係者も着用しており「連タイ感」の演出としても機能しています。

国民民主党の玉木雄一郎代表 ©時事通信社

 シャープな印象をもたらすストライプ柄に加え、TVホールド(ニュースキャスター向けチーフの挿し方)からは、数字に強い理知的で安定感のある印象も漂います。

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 れいわ新選組・山本氏は、なんと言ってもピンク。複数のピンク系ネクタイと共柄のチーフを使い分け、ブルーやストライプのシャツと組み合わせており、感度の高さと柔軟性を印象づけています。

れいわ新選組の山本太郎代表 ©時事通信社

 ピンクは女性性や優しさを象徴し、弱者への共感や包容力を伝える色。特に女性有権者に対して、感情的共鳴を促す非言語的なアプローチとして効果的です。

 カラーシャツは親しみやすさや人間味を強調し、白シャツの堅さとは対照的に有権者との距離を縮める工夫として機能しそうです。

1人だけスリーピーススーツで現れた参政党・神谷氏の狙いは…

 参政党・神谷氏のネクタイは、鮮やかなオレンジのソリッド(無地)。

参政党の神谷宗幣代表 ©時事通信社

 立憲・野田氏と同様、光沢のある無地のネクタイは最も格が高いとされ、そこに行動力と活力を象徴する「ビタミンカラー」のオレンジを掛け合わせた構成。9cmを超えるワイドタイを、さらに結び目をダブルディンプルにすることで力強さをアピールする意図がありそうです。

 スリーピーススーツを愛用しているのも特徴的で、こちらは品位と権威を体現する狙いがあるのかもしれません。

 ネクタイや装いは時に、言葉以上にその人に対する印象を左右します。戦略的に色や形を選ぶことの影響は大きいですが、自然体を装うことにもメリットがあります。

 大切なのは、本人すら気づかぬ「本音」が非言語のサインとしてにじみ出る瞬間でしょう。

 選挙は政策と同時に、こうした無意識下で判断される印象が勝負を大きく左右するものなのです。