三輪さんは、誰かの権利、自由を削るようなことを「是」とする「公約」に熱狂しても「それは自分にめぐってくるかもしれないのです」と危惧している。
自民幹部は「日本の国力低下を招きかねない」と
そう、これは過去の話ではない。誰かを標的にして叩く、生活不安につけ込んだような排外主義はさらに増している。「誰かの権利、自由を削るようなこと」に興奮してはいけないのだ。その刃はいつか自分に向かってくるかもしれない。排外主義が自分とは無関係だと言えるだろうか?
いつしか参院選の大きな争点は「外国人」政策となった。みっともないのは与党・自民党も引っ張られていることだ。参院選では自民党は「『違法外国人ゼロ』に向けた取り組みを加速化」と掲げている。ただ、施策の前提となる「ルール」を守らない外国人に関する客観的データが十分とは言えないと早々に報道されている(朝日新聞 2025年7月9日)。
ちなみに「違法外国人ゼロ」を「違法日本人ゼロ」に言い換えてみるといかに大雑把で適当なフレーズかよくわかる。選挙戦が始まると石破茂首相は、外国人政策の司令塔設置も表明した。
実は「日本人ファースト」についてこんな言葉があった。
《自民幹部は「排外主義につながるのならば、日本の国力低下を招きかねない」と参政の主張を警戒する。》(読売新聞 2025年7月1日)
「日本人ファースト」は国力低下を招く。与党として最低限の矜持はあるのかと思ったのだが、今ではすっかり引っ張られている。
そんな状況下、新聞各紙は社説で外国人政策や排外主義について取り上げた。掲載順に紹介しよう。
・東京新聞『’25 参院選 外国人政策 排外主義台頭を危ぶむ』(7月9日)
・読売新聞『外国人政策 社会のルール周知し共生図れ』(7月10日)
・日本経済新聞『外国人と共生する社会へ骨太の論戦を』(7月11日)
・毎日新聞『参院選2025 外国人政策 排外主義の助長懸念する』(7月12日)
・朝日新聞『参院選 「優先」と分断の先に 排外主義の台頭を許すな』(7月13日)
