「なぜ殺された息子が悪く言われなければならないのか」

 翌日、警察も目を背けたという無惨なCくんの水死体が発見され、11日にAとBを逮捕。2人は自主退学勧告を受け退学し、中等少年院送致処分を受ける。一方、事前にいじめの相談を受けていた担任の教師は「そんな事実はない」と否定。校長は「2人が自分たちの立場を有利にしようとして発言したとしか思えません」と述べ、Cくんの母親は「なぜ殺された息子が悪く言われなければならないのか」と怒りを顕にした。結局、いじめを放置したとして校長を含む6人の教師が懲戒処分となったものの、担任の教師には一切お咎めがなかった。

 理由は明らかにされていないが、他教職員の多くが担任の責任追及に反対したのが影響したようだ。また、警察庁は『少年の補導及び保護の概況』で「理由もなく殴られたり、自転車を盗むよう強制されるなど、2ヶ月にわたり手下のような扱い方をされいじめられた」と述べるに留まった。

写真はイメージ ©getty

 AとBは少年院を退所後、Cくんの墓に参ったそうだが、その後、彼らがどんな人生を送ったのかは伝えられていない。

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