「助けてくれ! もういじめへんから!」――女子生徒の前で自慰を強要するなど、自分たちをいじめていたCくんを、殺害したいじめ被害者のAくんとBくん。大きな罪を犯してしまった2人のその後の人生とは……? 我が子を無惨に殺された親、学生時代ひどいイジメに遭った者などが仕返しを果たした国内外の事件を取り上げた新刊『世界で起きた戦慄の復讐劇35』(鉄人社)から一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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いじめっ子のCくん殺害の日
創立記念日で学校が休校である1984年11月1日午前8時半ごろ、AとBは京阪電鉄の駅で落ち合い、具体的な殺害方法を相談した後、正午過ぎにCくんに電話をかける。と、彼は「近くで自転車を盗んでこい」と指示。言われたとおり自転車を盗んだ2人はそのことをCくんに連絡し、17時ごろに靱公園(大阪市西区)で彼と会う。
Cくんは自分の命令どおりに行動した彼らに満足げな様子だったが、ここでAとBは「天満橋に行けば、もっといい自転車がある」と持ちかけ、毛馬桜之宮公園(同市北区)へ。適当に公園で遊び時間を潰し、決行の時を待った。
19時40分ごろ、Aが公園の遊歩道で自転車に乗っていたCくんの後ろに接近し、隠し持っていた金槌で頭を殴打した。転倒したCくんは状況を把握し「助けてくれ! もういじめへんから!」と声を上げたが、そこに2人が襲いかかり、約10分間にわたって金槌で滅多打ち。さらに金槌の釘抜きの部分で左目をえぐり取る。さほどに憎悪は激しかった。
もはや虫の息となったCくんの体を約50メートル引きずり付近を流れる大川に投下。そのまま2人は現場を後にした。
