りりちゃんが「おぢ」に冷たい理由

 動画を撮影した当時を振り返り、コレコレ氏はこう話す。

「彼女は僕に『男性になりたい』と話していたこともありましたが、それはまったく意外なことじゃなく単純な話で、女性と違い男性になれば、あまり“性”を売り物にしなくてもいいと思ったんでしょうね」

 確かに渡邊被告からは、異性、とりわけ年上の男性に対しての恐怖や復讐心を感じることがある。もちろん、渡邊被告だけの話で決めつけることはできないが、渡邊被告がおぢたちに対し「同じ人間と思って接していない」と話すなど、徹底的に冷たい理由の一つには、彼女が幼い頃からずっと持っている男性に対する強い拒絶感があるからではないだろうか。

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男女で差が生まれた「りりちゃんに対する思い」

 私の周囲ではこの事件について、発覚当時から男性と女性であからさまに反応が違うと感じていた。

 男性に「りりちゃんについてどう思う?」と聞いても「お金払っちゃう男性の気持ちはわからないなぁ」や「うーん、自分には関係ないかな……」などとどこか他人事であり、理解不能なものという捉え方をしていた人が多かった。

 SNSなどを見ても、彼女について、「詐欺師」「人の心を弄んで、大金を騙し取ったが、それをホストに全部吸い取られた愚かな女」という辛辣な意見、もしくは「彼女は賢くIQが高い」「他の仕事についていたら、かなりの功績をあげただろう」「文章の天才だ」と“才能”をもてはやす、つまりは「別世界の人間」として捉えているように思える男性の意見が目についた。半面、女性たちは「りりちゃんは労働の対価をもらっただけ」と擁護する意見が多いように思えた。それは、彼女と同じホス狂いの女のコや夜職の女性たちだけではなく、昼の世界の女性たちの間でも同じだった。

頂き女子りりちゃんこと渡辺真衣氏(本人YouTubeより)

 現在は「男女平等」「男女同権」の考えが昭和の頃に比べて浸透し、「昔に比べたら女性は生きやすくなった」と言われている。

 しかし、私が週刊誌記者として仕事をしてきた中では、今でもまったく男女関係のない取材対象者からまるで勝手に“愛人扱い”されたり、書くのもはばかられるような思い出したくもない目に遭ったことも一度や二度ではない。