「私は中学時代に私に服従を強い、私を虐待し、私を虫けらのように扱った愚者共が許せない。私は奴等をこの世から消滅させ、そして私も消滅する」
中学時代のいじめの記憶を、大人になっても忘れなかったある青年は、復讐を決意する。50人近い人間を大量殺人しようとした、驚愕の「復讐計画」の中身とは……。我が子を無惨に殺された親、学生時代ひどいイジメに遭った者などが仕返しを果たした国内外の事件を取り上げた新刊『世界で起きた戦慄の復讐劇35』(鉄人社)から一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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「同窓会大量殺人計画」
1991年1月2日17時、佐賀県東部の三養基郡上峰町の旅館で地元中学校の同窓会が開かれていた。参加したのは同窓生40数人、恩師5人。卒業以来、12年ぶりの再会だった。皆は酒と食事を楽しみ昔話に花を咲かせた。ただ、一つ気になることがあった。同窓会の主催者である赤沢俊一(仮名。当時27歳)の姿がない。なんでも、会社の用事で来られなくなったという。自ら幹事を務めながら、仕事で欠席とは……。皆は残念に思いながらも特に不審感は抱かず、宴は滞りなく進んでいた。
と、そこに突然、何人もの男たちがなだれ込んで来た。佐賀県警の警察官で、参加者が飲んだビール瓶を調べ、現場をくまなく捜索している。いったい何があったのか。あっけに取られた彼らは翌日の朝刊に躍る文字を見て驚愕する。「同窓会大量殺人計画」「ヒ素入りビールと爆弾」。実はこの同窓会、主催者の赤沢が参加者を皆殺しにするために開いたものだった。動機は中学時代に受けた屈辱的ないじめへの復讐である。
