サッカー日本代表は7月15日、東アジアE-1選手権の最終第3戦で開催国の韓国と対戦し、1-0で勝利。3戦全勝で2大会連続3度目の優勝を果たした。

 元日本代表で、現在はサッカー解説者として活躍する城彰二氏は、今回のE-1選手権をどう見たのか。話を聞いた。

韓国に勝って優勝し、喜ぶ日本代表。中央は森保一監督 ©時事通信社

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「韓国戦は無策のまま終わった」「勝ったとはいえ残念」

――E-1選手権は、最終戦で韓国を1-0で破り、日本が優勝しました。

城彰二さん(以下、城) 優勝はしたけれど、韓国戦は内容的にはさっぱりでした。前半8分にジャーメイン良が先制していい流れを作ったけれど、後半はハーフコートゲームでほとんど攻撃できなかった。

 守備で集中力を切らさず、粘り勝ったのは素晴らしいことですが、選手交代で流れを変えられず、無策のままで終わったのは、勝ったとはいえ残念でした。

――確かに後半は韓国に主導権を握られ、防戦一方でした。

 前線でボールが収まらないし、中盤ではミスが多発、攻撃では蹴るシーンが増え、久しぶりにあんな代表を見ました。

 香港、中国は前線からプレッシャーをかけて来なかったから余裕を持って戦えましたが、韓国のように前から圧力をかけられると、どうしても引きっぱなしになり、苦し紛れに蹴ってしまう。

 ボールを保持して、うしろから奪われるシーンもあったけど、Jリーグではそこで取られることがほとんどない。でも、レベルがちょっと上がると、そういうシーンでミスが起きたり、簡単に奪われたりする。今回の日本代表はアジアレベルかなって思います。

――今回は、短期間でチーム作りが難しい中、森保一監督としては、どんな収穫が得られたと思いますか。

 全勝して優勝したこと、単純に結果が出たことは自分たちに対する自信を得たという意味では大きいでしょう。また、初めて招集した選手を練習や試合で見ることが出来て、彼らを主力組と組み合わせた時にどうなるか、考えることができたと思います。

 それに、チームのやり方や森保さんの考え方などを浸透させられたのは、今後に向けてはすごく大きいと思います。