Cくんの遺体から大量の白色微細泡沫が…
〈被告人ら3名は、同日午前零時30分ころ、子供部屋に入り、2段ベッドの下段で仰向けに就寝中のCに対し、被告人が、ベッド上段に置かれていた枕を両手に持って、同児の顔面に強く押し付け、王亮が、同時に馬乗りになる姿勢で、その手足を押さえ付けるなどして、同児を窒息死させようとしたものの、息苦しくて抵抗する同児に対し、馬乗りになっていた王亮が右手で、同児の前頸部をつかんで絞め付ける一方、被告人は、枕で顔面を押さえ付ける役割を楊寧と交替し、その後、王亮と楊寧が、犯行を継続し、同児を殺害する犯行に及んだ。〉
じつは遺棄されたCくんの遺体が海中から引き揚げられた直後、彼の鼻からは、大量の白色微細泡沫(白く細かい泡)が出ていた。これは溺死の際によく見られることである。ただ、その一方で、彼の首には手で絞められた痕も残っており、さらには絞頸の際に見られる顔面のうっ血、左右眼瞼・眼球結膜の多数の溢血斑(毛細血管の破綻による小出血=「溢血点」の、やや大きなもの)、口腔粘膜の溢血点などがあった。
そうしたことから、検視の段階では死因については、「溺死(扼殺も否定できず)」と判断されていた。
だが、その遺体が司法解剖にまわされたことにより、舌骨筋等への出血も認められたことなどから、扼殺(手を使った絞殺)であると最終的に判断されたのだった。
ちなみに、なぜ口腔内から白色微細泡沫が漏出したのかということについては、「気管内に白色微細泡沫がわずかに貯留」しており、「肺のプランクトン検査は陰性」であったことなどから、死後海中に投棄されたあと、水圧により海水が気道内へ侵入して発生したものと推測された。
こうして、A家に侵入してわずか30分ほどで2人を殺害した3人の視線は、2段ベッドの上段で、なにも知らずに寝息を立てるDちゃんに向けられたのである。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。