マンション住民が同業者ばかりになる理由は…

 風俗嬢が担当ホストとの同棲を実現する第一段階として、まずは東新宿エリアにマンションを借りること。そして、店に通いつめ担当ホストと身体の関係を持ち、その回数が増えていき、「もううちに住んじゃいなよ」と自宅にホストを転がり込ませる。典型的な成功パターンである。

 自分だけを一途に愛してくれている担当ホストとの幸せをその他大勢の風俗嬢たちに知ってほしい。Twitterでアピールしたい――。しかし、その感情とは裏腹に「ホス狂いと思われるんじゃないか」という不安もつきまとう。

 なぜなら、ホストを自宅に住まわせている自分以外の風俗嬢たちを、「ただのホス狂いが……」と普段から自分も軽蔑しているからである。でも自分だけはどこにでもいるようなホス狂いではない。本当の愛を手に入れた幸せな女であると思いたい。でも、一緒に歩いているところをほかの風俗嬢に見られてしまったら。

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「とはいっても、風俗の子が簡単に入れる物件ってやっぱり限られるじゃないですか。だから必然的に同業者が集まるマンションになってしまうので、悩んでも意味ないんですよ」(前出の社員)

新宿の怖いマンション

 東新宿駅から徒歩五分。抜弁天交差点にあるマンションは、とある事件で世間に強烈な印象を残した。2019年5月に元ガールズバー店長・高岡由佳容疑者(当時21歳)が、「好きで好きでしょうがないから刺した」と、ホストの男性を包丁でメッタ刺しにしたのである。

 エントランスで、血だらけになった高岡容疑者がタバコを吸いながら電話をしている画像が Twitter 上に出回ったが、いまだに記憶に残っている人も多いだろう。

 前出の社員によれば、このマンションは界隈の不動産業界では不吉な物件として知られているという。