月給90万円。年2回のボーナスは年間で月給の約5カ月分――千葉県鎌ケ谷市の市長を5期務めた元政治家の清水聖士氏が「知られざる市長の給与事情」を紹介。ときには“他人のミス”で減額されることも……。いったいなぜ? 新刊『市長たじたじ日記――落下傘候補から、5期19年、市長務めました』(三五館シンシャ)より一部抜粋してお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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「意外と少ないんだな」と言われた市長の給料
市長になってからも、昔の職場(伊藤忠商事と外務省)の同僚たちからときどき飲み会に誘ってもらった。
「市長の給料っていくら?」
飲み会の席ではよくそんな話が出る。公職だからなおさら聞きやすいのかもしれない。
鎌ケ谷市長の年収は税込で1500万円ほど、手取りだと1200万円台だった。金額を正直に伝えると、伊藤忠時代の仲間は驚いたような顔をして、「意外と少ないんだな」とつぶやいた。
伊藤忠は今や学生の就職人気ランキング1位の会社で、その社員は日本企業の中でもトップレベルの高給取りだろう。管理職になれば、3000万円ほどの年収になる。私の同期には常務になったものがいて、彼などは億単位の年収のはずだ。自宅以外に仕事用として青山にマンションを買ったと自慢げに(もちろん彼にその気はないのだろうが、私にはそう見えた)語ってくれた。
そういう同期の話を聞くと、伊藤忠を辞めないでいたらどうだっただろうと思わないこともない。妻はたまに「伊藤忠にいればよかったのに」と言う。そんなときは「伊藤忠にいても俺は出世しなかったよ」と言い返すことにしている。
外務省時代の給料については、国内勤務(本省)と在外勤務でまったく異なる。
