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「ナマ市長!」
とはいえ、小学校の高学年になると、クラスの友だちも娘の父親が市長であることを認識するようになったようだ。
小学6年生のとき、同級生の女の子たちがうちに遊びに来た。休日で家にいた私が顔を出すと、友だちの中のひとりが声をあげた。
「あっ、ナマ市長!」
娘は照れ臭そうにしながらも、若干誇らしい気持ちにもなったようだ。
娘が中学進学の時期を迎えて、このまま鎌ケ谷の中学に進めば、どうしても「市長の娘」ということで目立つだろうと危惧するようになった。派閥を作っていると揶揄されたようなことがまた起これば、娘が可哀そうだ。
私は妻と相談し、娘を中学受験させて、中高一貫の女子校に入れることにした。
学区が変われば、父親が市長だと知っている友だちもいなくなる。
娘も心配があったのか、中学受験にすんなりと賛成してくれた。
無事に中学受験を終えたあと、娘の小学校卒業式を迎えた。
小学校入学式に出席するための“画策”は前述のとおりだ。
じつは入学直後、私はもうひとつの“画策”を行なった。