与えられた仕事が早めに終わった同僚が、親切心から「手伝おうか」と声をかけると、「いや、もうすぐ終わるからいい」と言いながらムッとした表情になる。あなたの仕事は遅い、自分のほうが優秀だ、と言われたような気分になる、いわばマウンティングされたと感じるのだ。ふつうなら「ありがとう。でも、もうすぐ終わるから大丈夫」というような穏やかな反応になるはずだ。

このタイプは、何かと自慢をするクセがある。そんなことまでいちいち自慢するか、と呆れてしまうほど自慢が多い。そして、自分の弱みをけっして見せないようにしている。

もろく崩れやすい硝子のプライドを必死に守ろうとしているために、偉そうに振る舞ったり、バカにされまいと自慢したりするのである。

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謝らないのも、見せかけの自信を見透かされたくないからだ。人に頭を下げたりすると自分の自信のなさが露呈してしまうのではないかと思ってしまう。だから謝らない。

自分のやらかしを同僚にいじられて大激怒

ある講演の場で、このような解説をすると、自分の職場の同僚にもそういう人物がいると言う人たちがいた。

「たしかに謝るべき場面なのに謝らないことが多い同僚も、やたら自慢が多いですね。それと、バカにされたくないという思いが強いのが伝わってきます。私なんか、自分のドジ話をしてみんなと一緒に笑うことがありますけど、彼はけっしてドジ話はしないですね。

以前、別の同僚が彼のドジな行動をネタにしてからかったら、顔を真っ赤にして怒ったんです。みんなビックリでした。ふつうなら一緒になって笑う場面ですよ。からかわれるのがそんなに嫌なのかと呆れましたけど、今日の話を聴いてみると、やっぱりコンプレックスが強くて必死に虚勢を張って自分を大きく見せようとしていたんですね」

「私のところにも謝らない同僚がいるんですが、言われてみれば自信がないのかも。とにかく言い訳が多いんですよ。そんなバカな、あり得ない、って思ってしまうような言い訳をしてでも、自分の落ち度を認めず、責任逃れをしようとするんです。往生際が悪いというか。非を認めて謝ってしまったら、自分の威厳がなくなって、硝子のプライドが崩れちゃうのかもしれませんね」