自信がないのに虚勢を張って自信ありげに振る舞っているため、自分の非を認めようとせず、謝らない。自慢が多く、自分のドジ話はけっしてせず、からかわれると怒る。このような人物が周囲にいないだろうか。

「謝罪は敗北」と考える人の偏った心理

「謝らない人」には、他人との比較意識が異常に強いタイプがいる。自分と相手とどっちが上かといった比較図式が常に頭のなかにある。

競争心が強く、負けず嫌いなため、謝るというのは、向こうに屈服した形になるととらえてしまう。つまり、どっちが上かという比較図式の上で、頭を下げることは向こうのほうが上になるとみなす。ゆえに、謝ることには強い抵抗がある。

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自分になんらかの落ち度があり、謝罪を迫られた場合、「悪いことをした」、「迷惑をかけた」、「不利益を与えた」といった意識が活性化され、申し訳ないといった思いに駆られて素直に謝罪するのがふつうだ。

ところが、このようなタイプは、そうした意識よりも、相手が優位に立ってしまうといった意識が活性化される。

そのため、申し訳ないという思いよりも、絶対に謝りたくないといった思いに駆られる。どっちが上かという比較図式の上では、謝罪=敗北なのである。

このようなタイプを謝るように理屈で説得するのは難しい。その人物が相手にどのような迷惑をかけたかをいくら理詰めで説明しても、どっちが上かという比較図式に縛られた人物には、冷静に理解する気持ちの余裕がない。

負けたくない、下に位置づけられるのは嫌だ、マウントを取られたくない、といった思いが強すぎて、真っ当な理屈も頭に入っていかない。

「ここは謝るべき」と言っても言い訳ばかり

このような解説を聞いて、納得顔で自分の身近な人物に日頃感じていた疑問が解消したと言う人もいる。

「それでわかりました。私の職場に、そういうタイプがいるんです。周囲に迷惑をかけながらけっして謝らないんです。その人の態度に、みんな呆れるのを通り越して、怒りまくりですよ。なんで謝らないんだ。簡単な理屈がなんでわからないんだ。バカじゃないのか。そんなふうにみんな言っています。