「あ、私、したいんだ」結婚してレスになってから初めて自分の性欲を自覚

――先ほど、レスになって2年くらい経ってからSNSアカウントを開設したとおっしゃっていましたね。

あぐ そうです。まずレスになって1年くらい経ってから、自分に性欲があることを自覚したんです。

 10代の頃は男性に求められたらそれに応じるという感じで。経験人数は800人くらいいたんですけど、自分からしたいと思ったことはなかったんです。結婚してレスになってから初めて「あ、私、したいんだ」と気づきました。

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 それから、同じようにレスで悩んでいる人の愚痴を聞いたり、繋がったりできるんじゃないかと思って、Twitterでいわゆる「レス垢(レスに悩む人が使うアカウント)」を始めて。

 そこで初めてセックスレスで悩んでる女性たちと出会って、「女性にも性欲があっていいんだ」ってことを知りましたね。当時は20代後半くらいだったので、かなり遅咲きだと思いますけど。

――SNSではどんな情報を得ていたんですか?

あぐ それまで知らなかった性に関する情報をたくさん教えてもらいました。たとえば、女性は道具とかを使って自己開発したら、気持ちよくなれるとか。そういう情報をもとに自分でもやってみたら、快感を得るという部分を追求していくのは楽しいなって思うようになって。

 あと、同じ悩みを持つフォロワーの女性と実際に会うようになりました。話を聞いたら「パートナーとはセックスレスだけど性の部分は外で発散をして、家庭を円満に維持してる」という方がわりと多かったんです。それを聞いて「そういうやり方もあるんだ」と世界が広がった感覚でしたね。

――自分も外で性欲を発散したいと思うように?

あぐ そうですね。身近にやってる人がいるんだって知ったら、自分もやってみたいなって。それで元夫に、「あなたがしないなら外でしてきてもいいですか」と話し合いを持ちかけました。

元ハプバー店員のあぐさん。SNSでは、エロ垢界のカリスマ的存在となっている ©細田忠/文藝春秋

「いろんな男性と会って性行為をしました」夫公認で不倫をしたが…

――元夫はどんな反応でしたか。

あぐ 最初はイヤそうでしたけど、話し合いを重ねて。最終的には「致し方ない、いいよ」と言ってもらえました。そこからいろんな男性と会って、性行為をするようになりましたね。

――いわゆる“公認不倫”という形ですね。

あぐ 不特定多数の男性と関係を持つようになって、そのタイミングで初めてハプバーにも行くようになりました。ただ結婚中はそこまで通ってなくて、離婚してから本格的に通うようになりましたね。

――パートナー以外の男性と関係を持つようになって、レスの悩みは解決しましたか?

あぐ 性欲という部分では満たされました。レスになって自己肯定感も下がっていたので、行為をする時に相手が褒めてくれるのが心の支えにもなっていましたね。ただ相手の男性にとって、私は恋愛対象ではないので、その場限りの優しさだったりもするんですけど。