近年、「女性の性」をテーマにした報道や作品が増えている。朝のテレビ番組では「セルフプレジャー」の特集が組まれ、大手出版社が「女性用風俗」のマンガを発売。今年4月には、「ハプニングバー(通称ハプバー)」を舞台に女性の“性の秘密”を描いたマンガ『今夜、ハプニングバーで』がKADOKAWAから刊行された。

 同作の原作者・あぐさんは、実際にハプバーで働いた経験を持つ。元夫とのセックスレスがきっかけでハプバーに行くようになり、その後、常連客を経てスタッフになったという。

 いったい、ハプバーとはどんな場所なのか。そもそもなぜ、あぐさんはハプバーに行くようになったのか、本人に話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く) 

ADVERTISEMENT

写真はイメージ ©アフロ

◆◆◆

パートナーから「性交渉は子作りのため以外に必要ない」と言われ…

――あぐさんは以前ご結婚されていた時、セックスレスに悩んでいた時期があったそうですね。

あぐさん(以下、あぐ) 交際中は普通に夜の営みがあったんですけど、結婚してすぐになくなってしまって。結婚が決まって元夫が住んでた土地に移住をしたので、そもそも環境に慣れるのとか、新しい仕事を始めるのにお互い忙しかったのも理由のひとつにはあります。

 結婚して2年くらい経った頃に「あれ、もう2年もしてないな」と気づいて。何かしら行動しないと、と思ってたどり着いたのが、当時のTwitter(現X)でした。

――元パートナーはどんな人だったのですか。

あぐ 彼は10歳ぐらい上の人で、結婚した時は40歳手前ぐらいでした。昭和っぽい価値観の人でしたね。

「家族になったら、性交渉は子作りのため以外に必要ない」「そういうことは抜きにして、家族になっていきましょう」という考えを持っていたんです。

 あと、女性に性欲があるなんて信じられない、とも思ってるタイプでした。

結婚していきなり妊活モードになるのは抵抗があった

――「性交渉は子作りのため以外に必要ない」と言われた時はどう感じましたか?

あぐ ショックでした。彼がその考えに至るまでに、何度か夜の営みについて話し合ったことはあったんです。それでも、彼の考えは変わらなくて。だから、今さら何を言われても驚かないぞ、という諦めみたいな気持ちもありましたけど。

――あぐさん自身は、お子さんがほしいと思っていた?

あぐ 当時はほしかったです。ただ、彼は妊娠しやすい日に狙いを定めて、子作りをしましょうって感じで。私は新婚モードでいたかったので、少し抵抗があったんです。結婚していきなり妊活モードになるのは違うなと。