「車を弄って何になる?」と考えるまでもなく、まるで本能のように車を改造する者たちがいる。何を犠牲にしてでも「オリジナル」を求めてやまない、カスタムカーオーナーたちの素顔とは?

 今回は、プロボックスをカスタムする加藤さんをご紹介。

家族で車のイベントに参加する加藤さん

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「家族のための車」を探して行き着いたのは…

 18歳で免許を取ってからずっと車弄りが趣味で、もともとはシーマやセドリック、クラウンなんかのVIP系を乗り継いできたんですよ。でも結婚して子どもが2人生まれてからは、「もういい歳だしな」と、家族でも使いやすい車を選ぶようになって。

 最初はBMWのステーションワゴンに乗って、最終的に行き着いたのがこのプロボックスでした。

商用バンとしてお馴染みのプロボックス。競技車両のような雰囲気をかもし出す

 実は妻の勤め先が、ハイエースやプロボックスなんかのカスタムを扱っているショップで、周りに乗っている人も多かったんですよね。

 仲間のなかにはプロボックスやサクシードでサーキットを走っている人もいたので、最初の方は私も走り重視で仕上げていたんですけど……。これがまぁ、まったく上達しなくって。なので最近はもう走りは諦め、ドレスアップ方面に来ている感じですね。

形状がシンプルなだけに、ステッカーによって印象が大きく変わる

 やっぱり妻も車好きで、以前はセルシオを弄っていたんです。そもそもの出会いも車つながりで、セダン系の集まりで知り合って、そこから仲よくなっていったんですよね。

 私自身も、今は宮城の方で自動車整備のショップを営んでいます。もともとは現場系の仕事をしていたのですが、東日本大震災で当時の職場が回らなくなってしまい、それならずっと趣味にしていた車の業界で頑張ってみようと。最初はショップに勤めて、6年ほど前に独立した形ですね。

後部座席には電車の吊り輪。子どもでも手が届きそうだ

 お互い車を仕事にしているものですから、カスタムに関してはかなり自由にやらせてもらっています。一応、弄るときには妻に「次はここ弄ろうと思う」と伝えはしますが、いつも返事は待たずに手をつけちゃっていますね。それで何か言われることもないですし。

momo製のディープコーンステアリングが運転席に奥行きを与える

 今日も家族4人で来ていて、隣には息子のクラウンを並べているんです。息子はもともと車にあまり関心を示さず、私としてはちょっと心配だったのですが、ここ数年で興味が出てきたみたいで。「ちゃんと自分たちの血を引いていたんだな」とホッとしましたね。

 下の娘は今10歳で、当時の息子と比べるとかなり車に興味があるようで、車の名前もよく覚えていますね。まだ「何に乗りたい」とかはないようですが、イベントでは毎回楽しそうにしていますよ。

夫婦ともに車関係の仕事についているため、車弄りの自由度は高いという

 子どもたちが今後どのくらい車にハマっていくかはわかりませんけど、これからもなるべく家族で車の趣味を楽しんでいけたらいいと思いますね。

次の記事に続く 「もうこんなの乗れない!」20年前に“母が新車で買ったタント”を黙ってカスタム、今では改造費500万円以上に…軽自動車のカスタムにのめりこむオーナーの「普通車に乗ればいいのに」に対する答えが意外すぎた

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