「車を弄って何になる?」と考えるまでもなく、まるで本能のように車を改造する者たちがいる。何を犠牲にしてでも「オリジナル」を求めてやまない、カスタムカーオーナーたちの素顔とは?
今回は、初代タントをカスタムする「まさ」さんをご紹介。
◆◆◆
母の車を「こっそりカスタム」から弄りつづけて20年
このタントはもともと、20年ほど前に母親が新車で買ってきたものなんですよ。それがちょうど、自分が免許を取ったのと同じ時期で。ちょくちょく運転させてもらいつつ、興味本位でこっそり弄っていたんです。
それまではずっとデコトラが好きで、乗用車のカスタムにはあまり関心がなかったのですが……。なぜかこの車が家に来たとき、「もうちょっとカッコよくしたいな」と思っちゃったんですよね。
それで、黙って車高調入れたあたりまではよかったんですけど、エアロを組んだところで母から「もうこんなの乗れない!」と言われてしまって。結局そのまま譲り受ける形になり、それからずっと、このタントだけを弄ってきたんです。
これまでに大きな仕様変更もしていますし、板金屋さんに作ってもらったワンオフのパーツも多いですから、もうカスタム総額だと500万円~600万円とかになっちゃいますね。
やっぱり周りからは「普通車(登録車)に乗ればいいのに」とは言われますけど……。自分の場合はそもそも乗用車に興味がないところからスタートして、成り行きでここまで弄ってきたので、もうわざわざ乗り替える気にはならないですね。
あと、軽は規格が限られているぶん、小さな違いがわかりやすいというか。そのなかで、自分なりに差を出していくのが楽しいんですよ。
もっとイベントにも出したいんですけど、なかなかスケジュールが合わず、今回はようやく5年ぶりくらいに参加できたんです。実は仕事が船乗りで、1年の半分以上は海の上にいるような生活なんですよね。
この仕事はもう20歳の頃から続けていますが、もともと船が好きだったわけでもなくて。とくにやりたい仕事もなく、たまたま父がずっと船乗りをやっていたので、「まぁある程度勝手もわかるし」と。
さすがにもう、こういう生活に身体は慣れましたが、やっぱりプライベートの付き合いが難しいところはありますね。一度船に乗ったら、2ヶ月ほど家に帰れないので……。
結婚に関しては「それでもいい」と言ってくれる人はいますけど、子育てにどのくらい協力できるんだろう、とか。色々と、将来のことも考えなきゃですね。
その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。





