「車を弄って何になる?」と考えるまでもなく、まるで本能のように車を改造する者たちがいる。何を犠牲にしてでも「オリジナル」を求めてやまない、カスタムカーオーナーたちの素顔とは?
今回は、ムーヴをカスタムする「KOH」さんをご紹介。
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山奥でオーディオ調整、鳴らすのは「イベントだけ」
地元が栃木の方で、昔から周りに車好きが多かったんですよ。走り屋系やVIP系、あとはバニングも当時は流行っていましたね。
私自身はもともとスポーツ系が好きで、18歳になる前からバイクを弄りはじめて。車の免許を取って最初に買ったのはカプチーノで、それからもずっと走り重視の車を乗り継いできたんです。
これの前にはS13のシルビアに乗っていたのですが、そろそろ落ち着こうかなと、5年ほど前に買ったのがこのムーヴです。ちょうどドレスアップ界隈の人たちと仲よくなっていた頃で、彼らに影響されたのもありますね。
それで、色々なジャンルの知り合いが増えるなかで、次第にオーディオにも手を出すようになって。単純に「いい音で聞きたい」というよりは、「イベントで上を目指すにはオーディオが必須だから」という理由の方が大きいかもしれませんね。
実際に始めてみても、普通の道では迷惑でとても鳴らせないですし。この車はもう完全にイベント専用で、しっかり音を出すのはこういう場だけなんですよ。
ただ、作業するなかでどうしても調整は必要になりますから、私の場合は周りに民家のない山奥まで行って音を確認する、みたいなことをしています。
やっぱり周りの人からは、「そんなにお金かけてどうすんの」みたいなことも言われますけどね。自分でも、世間の感覚からはかけ離れた趣味だとは思います。ただ、オーディオは一度手を出すと本当にキリがないんですよ。
周りに比べると自分はまだまだで、「軽なりにいい音を出せるようにしよう」くらいの感覚ですが、それでも試行錯誤はありますし。でも、仲間と一緒に「あぁでもない、こうでもない」と作業するのが楽しいんですよね。
スポーツカーは降りましたけど、そもそも乗り物を弄ったり、運転したりすること自体が好きなんでしょうね。仕事の方でも、7年ほど前からトラックドライバーをやっていて。ずっと大型に乗ってみたかったので、パチンコ店のスタッフから転職したんです。
やっぱり人は足りないですし、若い人が入ってきても、給料や待遇の面で辞めちゃうことが多いんですけどね。ただ、自分である程度スケジュールを調整できますし、荷物の載せ方を工夫したりするのも楽しいですから、私自身には合っているんだろうなと思います。
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