「定期巡回サービス」はホームヘルパーなどが定期的に利用者の自宅を巡回し、安否確認、排せつ介助、水分補給、配膳・下膳、服薬介助、移動/移乗介助、起床/就寝介助などを行います。
「随時対応・訪問サービス」は24時間365日、利用者や家族からのケアマネジャーへの緊急連絡や救急車の出動要請などを受け付け、必要があれば介護福祉士(ケアワーカー)、ホームヘルパー、看護師などを派遣し、急な排せつの介助や転倒への対応、バイタル値測定や服薬管理などを行います。
夜間でも対応してくれる
定期巡回・随時対応サービスは利用者の生活リズムに合わせた訪問介護・看護を夜間でも受けられる利点があり、要介護度に応じて1日複数回[図表2]サービスを受けることができます。小規模多機能型居宅介護と同じく、サービス費用が月額定額制で予算を立てやすいというメリットもあります。
地域の在宅療養支援診療所、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応サービスを利用できるのは要介護認定者です(小規模多機能型居宅介護は「要支援」でも利用可能)。近隣にこの3つの事業所がどれだけあるのか、どんな評判なのかを調べておきましょう。
シニア向け賃貸住宅などへの住み替えの際にも、あらかじめ3つの事業所の分布を調べておくことをお勧めします。
老人ホームは誰が決めるか
私どもが実施したアンケート調査では、老人ホームへの入居について「本人が選んだ」という回答は1割以下、9割以上が「家族が選んだ」との回答でした。認知症の進行による入居では、「家族が選んだ」という回答の割合はさらに上がります。
ご家族が選ぶ場合は、「年金額と貯蓄でまかなえる費用」「家族の自宅から通いやすい立地」などが優先される傾向があります。ちなみにご家族が娘さんの場合、「自分の家からも通いやすい老人ホーム」を希望されることが多いです。一方で、ご家族が息子さんの場合、施設の立地は兄弟間で公平な場所を選びがちです。わかりやすく例えるなら、「長男一家が神奈川県、次男一家が埼玉県だから、間をとって東京都内の老人ホームを探そう」といったように、親本人にとって全くなじみのない地域の老人ホームに決められてしまうケースも少なくありません。