「社内ニートがあふれてる状態で…」「社内合コンしまくっている人もいました」

――その会社は、仕事面はどうだったんですか。

水谷 私が入った頃は社員をたくさん採用してる時期で、仕事の案件と社員数が合わず、何もしていない社内ニートがあふれてる状態でした。新入社員だけでなく、上の人ですら、あまり責任ある仕事ができてない状態でした。

 私もリサーチ不足だったんですけど、コンサルって中途入社の人の方が優秀で、仕事の案件もどんどんそちらに行くんです。逆に新卒で入った人間には、あまり仕事もなくて。その分、社内合コンしまくっている人もいました。

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 新卒は議事録を取ったり、誰でもできるような雑用しか仕事がなくて。それなのに高い給料を払ってもらえていたから「高級文房具」と呼ばれていました。それで議事録に少しでも誤字があったらめちゃくちゃ怒られるみたいな感じで。

「この会社にいて力がつくなら全然我慢できるけど、でもそれだけ我慢する価値がここにあるのかな」と葛藤しながら仕事をしていましたね。

がんばって評価を上げたのに「枕したからでしょ」と…

――でも、社内評価を高めるための努力はしたそうですね。

水谷 めちゃくちゃしました。それこそ「顔採用でしょ」「可愛いだけでしょ」とか言われたこともあるし、ただの女だけの扱いをされるのが悔しくて。

 だから残業を誰よりも遅くまでして、上司の雑用も自分から巻き取ったりして、徐々に上司からの評価は上がったんです。そうしたら、ある同期から「水谷が評価上げたのは、枕したからでしょ」と言われて……。多分もうその頃から、精神的にいっぱいいっぱいだったと思います。

 

――頑張ってもそれでは心が折れてしまいますよね。

水谷 もともとは企業の経営方針に携われる戦略コンサルタントを希望していたんですが、ITコンサルタントにアサインされて。人事には「雑用でもいいので、戦略に移れないですか」と相談していたのですが、難しくて。

 仕事自体はやりたいことではない。セクハラしてきたり、人として扱ってくれない人もいる。それで精神的に追い詰められてしまって。頭が回らないし、会社にいても周りの人の話が全然聞こえなくなっていました。

 入社して半年がすぎたある朝、会社に行こうとしたら玄関で涙が止まらなくなって、もう足が前に進まないんです。それで母親に相談したら、看護師なんでわかったんでしょうね。「心療内科に行って」と言われて、そのまま診察に行ったら軽いうつ病だと診断されました。