「私はめっちゃ弱い人間なんだ」自分自身を追い込み、過食嘔吐を発症
――会社はその後、どうしたんですか。
水谷 休職しました。休職の際は、これまで助けてくれなかった人事の方が急に「相談に乗るから話し合おう」と優しく接してくれました。
ただ休職してからは過食嘔吐を発症して。休職したことで「私は入社して半年で心を壊してしまうようなめっちゃ弱い人間なんだ。そんな私には価値はないんだ」と自分自身を追い込んでしまったんです。
会社は給料だけはよかったので、Uber Eatsで3人前くらいの中華料理を頼んで口に入れて、それが終わるとトイレで食べたものを吐いてを繰り返して。5~6キロは増えました。
ただギリギリ動ける状態ではあるし、休んでずっと家にいることへの罪悪感がすごくて。自分が意味ある存在だと思いたかったので、そのタイミングでいろいろなことに挑戦しました。
インフルエンサーとして活動を始めて会社を退職
――どんな挑戦ですか?
水谷 もともと目標だった、独立して自分で稼ぐというのをやろうと思って。管理栄養士の資格を活かした栄養相談であったり、ライターや海外のお菓子のせどりにも挑戦しました。せどりはあまりうまくいかなかったんですけど(苦笑)。
その挑戦の1つが、今もやっているモデルやインフルエンサーとしての活動です。大学時代にやっていた被写体モデルの活動を再開して、同じ被写体モデルの子たちを誘って撮影会のイベントをやっていました。
インフルエンサーとしてフォロワーを増やしたら、色々案件が来るかなとは考えていました。そのためにフォロワーをまず増やそうと思って、めちゃくちゃ戦略を立てて発信していました。
そうした状況の中で、自分が本当にやりたいことは何かについて改めて考えてみたんです。兄の彼女が、私と同じように会社を辞めて独立して漫画家をされている方だったので、たくさん相談に乗ってもらいました。その方の後押しもあり、入社半年で退職しました。
――退職された時、周りの反応はどうだったんですか。
水谷 退職のタイミングで、「どうしたの? 話聞こうか?」「自分も会社に不満があるから愚痴会をやろう」ってしつこくLINEしてくる同僚もいたんです。だから彼らのLINEは即ブロックしてやりました(笑)。
撮影=三宅史郎/文藝春秋
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