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最大ボリュームのアラートが鳴ることも

 このアプリはその性格上、歩きスマホを許容しているのでは? と誤解される可能性も少なくありません。しかし、キャリア製の歩きスマホ防止アプリがその使いづらさからユーザにそっぽを向かれ、無効化されている現状を鑑みると、歩きスマホの是非の判断はユーザの良識に任せ、本当に深刻な危険のみを警告するこのアプリのほうが、現実に即した解と言えるのかもしれません。

 なお本アプリでは、もっとも重大な危険とされるのが横断歩道や段差、線路などで、次いで縁石や側壁といった水平の障害物、街灯をはじめとする垂直の障害物などが、危険な対象として挙げられています。どこまでを警告の対象とするかは個別に指定できるほか、立ち止まらないと警告画面のロックを解除できないオプションも備えます。

どのような対象を危険とみなして警告するかは細かく指定できます。画面自体をロックする機能もあります
通知方法も自由に指定できます。バイブなどのほか、最大ボリュームでアラートを鳴らすことも可能です

英語、Android版のみという制約はあるが……

 実際にこのアプリを有効にし、路上のさまざまな障害物がカメラの視野に入るように歩いてみると、その被写体によってバイブの強弱が微妙に変化します。真っ赤な画面とともに警告メッセージが表示されるのは、“しきい値”を超えたタイミングであることがよく分かります。

 もちろん精度が100パーセントというわけではなく、なかには期待した反応が得られないこともありますが、横断歩道は高い確度で警告されるなど、危険度が高い被写体ほど表示される確率は高いことから、アプリがない状態に比べ、安全性が向上するのは間違いないでしょう。

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 言うまでもありませんが、このアプリだけで、歩きスマホにまつわるあらゆる問題に対応することは不可能です(アプリの説明にも、そのことが念入りに書かれています)。また表示言語が英語であることに加え、スマホOSの制約上、iPhoneには対応せず、Android版しか用意されていないのも、残念なところです。

 とはいえ、歩くだけで警告が出る大雑把なアプリはすでに無効化済で今後使う気はない一方、深刻な危険をきちんと知らせてくれるアプリならば使う価値があると考えている人、またそうした仕組みを自分の子供や両親など家族に使ってほしいと思っている人は、試す価値のあるアプリと言えるのではないでしょうか。