車のナンバーを好きな数字で登録できる「希望番号制度」が開始されてから、25年以上が経つ。当初は一桁ナンバーやゾロ目の改造車など、「特別感の演出」に用いられる印象もあったが、現在ではむしろ「ミニバンに家族の誕生日」といった平穏なナンバーの方が多数派なのだろう。

 しかしそれでも、思わず突っ込みたくなるようなケースはあるらしく……。今回は「ヤバいナンバーの決め方」をしてしまった人たちのエピソードを紹介する。

暗証番号と同じ数字を堂々と…

 車のナンバーが誰かに迷惑をかけることなど普通はないのだから、どんな数字でも好きに選べばいいのだが、個人情報についてはそうもいかない。埼玉県で夫と暮らしている30代女性の田辺さん(仮名)は、60代の義父のセキュリティ意識に愕然としたと話す。

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「義父は地方の出身で、そこから早稲田大学に入ったことを今でも誇りに思っています。希望ナンバーの制度ができてからは、車を新しくするたび当時の受験番号をナンバーにしてきたらしいんです。

 それで最近、スマホの設定で手伝ってほしいと呼ばれ、夫と義実家に呼ばれたのですが……。ロックを解除する際の番号も、やっぱりその受験番号。そこでようやく、ゾッとしたんです。『もしかして銀行の暗証番号とかも全部これにしているんじゃ?』って。

 夫から義父に聞いてもらうと、昔から4ケタの番号は全部それにしていると……。血の気が引きましたね、よく今まで何もなかったなって。渋る義父を説得し、車のナンバーだけはどうしても変えたくないというので、色んなところの暗証番号を変えてもらいました。変え忘れているものもあるかもしれないですし、本当はナンバーの方を変えてほしかったんですけど……」

 インターネット上のサービスを利用する際など、ことあるごとにパスワードや暗証番号を求められる現代。できるなら「全部ひとつにまとめたい」というのが本音だろう。

 しかしだからといって、誰の目にも触れる車のナンバーと、大事な口座の暗証番号を揃えてしまうのは危険すぎる。いうまでもないが、車のナンバーは「他人に知られてもいい数字」にしておこう。